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独身男性の婚活が住宅バブルを拡大(中国)


<『フォーリン・ポリシー』電子版2012年9月28日、北京在住ジャーナリスト ロザンヌ・レイク氏 "Bachelor Padding">

中国の豊かな都市では、住宅の平均価格が平均給与の15~20年分に上る。住宅価格の高騰が中国で特に問題なのは、男性の持ち家が結婚の前提条件となっているからだ。

一人っ子政策の下で生まれた世代では、男性が女性より2割も多いので、男同士の競争は激しい。男たちは結婚相手を惹きつけようと貯蓄を住宅購入につぎ込んでいるので、嫁不足の影響は不動産市場にもっとも顕著に現れている。

経済学者の張暁波と魏尚進によると、中国の35主要都市における不動産価格上昇の30~48%は、男女比の不均衡と、結婚のための男性の不動産需要に直接相関している。女性の少ない都市ほど、男たちは派手な住宅を競って購入し、不動産価格が上がっている。

中国の経済成長が減速しても、結婚のための住宅需要はとどまるところを知らない。

親たちも、息子の住宅購入を助けるために貯金している。中国経済が破綻しないためには消費の拡大が必要なのに、この貯金競争が家計貯蓄率を世界最高水準の30%に押し上げ、世界貿易の不均衡を持続させていると、張暁波と魏尚進は警告している。

一方で二人は、中国の経済成長の20%は、男たちが住宅購入費を稼ぐために余分に働き、あるいは起業していることが原因だともいう。「房奴」という新語は、住宅と妻を得るためにあくせくと働く男性を指す。

地方には、新婚夫婦が大都市に引っ越した後に残された、派手な外見の空き家が多い。経済学者の易憲容は、中国に6450万戸も空き家がある理由として、この現象に注目している。
(訳・要約:西恭之、椎名亜由子)