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2016年熊本地震後の日奈久断層帯を監視する手法を開発


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概要

静岡県立大学グローバル地域センター地震予知部門総括の楠城一嘉特任准教授が率いる研究グループは、地震活動を統計処理することで、日奈久断層帯にかかっている力の状態を推定することに成功しました。新手法で監視を継続することで、次の地震の発生が迫っているか否かを評価できる可能性があり、地震防災上重要な研究となります。 
本成果の論文が、米国地球物理学連合発行の学術誌『Geophysical Research Letters』(ジオフィジカル・リサーチ・レターズ)に掲載されました。また本研究は、JSPS科研費(JP17K18958)、中部大学問題複合体を対象とするデジタルアース共同利用・共同研究 (IDEAS201812)、文部科学省による「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画」の助成を受けています。

本研究のポイント

2016年熊本地震の前後の地震活動の変化から、布田川・日奈久断層帯の力のかかり具合を推定する手法を開発しました。
熊本地震の本震や前震の発生に先駆けて震源域では高い力がかかっていたと推定されます。
現在、布田川・日奈久断層帯では大局的には力は緩和しているが、日奈久断層帯の中央部で力が高く、そして唯一増加していると推定されます。
監視を継続し、もし更に高く力がかかる様であれば、熊本地震の本震や前震のように破壊の始まりになる可能性があり、これまで活動していない日奈久断層帯の南部へ破壊が進展する可能性もあり得ると考えられます。

布田川断層帯と日奈久断層帯に沿った応力状態を模式化した図
本震(マグニチュードM7.3)の震源を黄色の星印で示し、前震(M6.5とM6.4)の震源を赤色の星印で示す。詳細は論文を参照のこと。

著者からのコメント

日本は、世界一とも言える充実した地震観測網を展開し、非常に小さな地震(微小地震)まで観測できる様になったおかげで、断層にかかる力のゆらぎを監視する手法を開発できました。
もし地震が今後発生するならば、力が高くかかっている地域を震源とする可能性があるという論文です。つまり、本研究は「地震予知ではありません」。従って、我々は今後も日奈久断層帯の監視を継続し状況把握に努めます。
日本の何処でも地震が起きる可能性があるので、今回の研究が日本中でできれば良いのですが、先んじて布田川・日奈久断層帯で試した事になります。熊本県だけが地震発生の可能性があるわけではありません。

掲載された論文

<論文タイトル>
Changes in seismicity pattern due to the 2016 Kumamoto earthquakes identify a highly stressed area on the Hinagu fault zone
<著者>
静岡県立大学グローバル地域センター地震予知部門 特任准教授 楠城一嘉 / 特任准教授 鴨川 仁
中部大学中部高等学術研究所国際GISセンター 准教授 井筒 潤
東海大学海洋研究所地震予知・火山津波研究部門 教授 長尾年恭 / 特任准教授 織原義明
<掲載誌>
Geophysical Research Letters  DOI: 10.1029/2019GL083463
<日本時間>
2019年8月25日に出版
<ウェブ>
ttps://agupubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1029/2019GL083463(外部サイトへリンク)

まとめ

静岡県にも活断層帯はあり、例えば、富士川河口断層帯が挙げられます。この断層帯は、今後30年の間に地震が発生する可能性が、我が国の主な活断層の中では高いグループに属しています。本記事をお読みの皆さまが防災意識を高め、いつ地震が起きても対応できる様に、改めて防災に対する対応を再点検するきっかけになればと思います。