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HOME >  中国展望 (特任教授 柯隆) >  2013年(海外ジャーナリズムの眼) >  北京市の環境対策―3年間で1000億元投入予定

北京市の環境対策―3年間で1000億元投入予定




4月19日
今年に入ってから、北京のスモッグ問題が世界で広く注目され、3月の全人代で緊急課題の一つとして提起された。北京市政府はスモッグを初め、深刻な環境汚染を懸念して、3月28日に対策を発表した。今後3年間で1000億元(約1兆5000億円)を投入し、大気汚染、下水問題、ゴミ問題、違法建設問題などの問題解決に取り組む姿勢を明らかにした。

このニュースについて、『新華網』は3月29日に北京の地元新聞『新京報』の記事を引用した。それは「北京市は3年以内に大気汚染など4つの問題解決を誓った」とのタイトルの記事だった。「北京市の共産党委員会書記の郭金龍氏は、対策の実施に関して五つの分野に重点を置く必要があると強調した。それは、マクロ的な考えを取り入れたグランドデザインの設計と総合的な計画策定の強化、新しい管理推進体制の整備、新しい投融資体制の構築、技術イノベーションの導入及び中央政府部門と人民解放軍の部隊によるサポートと協力である。そのほか、幹部の業績評価における環境問題の解決の実績との連動、監察部門による実行状況の厳しい監督と検査、責任追及制度の整備も行うべきと強調された」と述べられた。そのうえ、「この3ヵ年計画で定められた各々の対策と措置について、各県レベルまたは区レベル、各行政機関、各企業が各々の職責を果たさなければならない。具体的な実施計画、明確な目標を設定し、その公約を期間内に達成するように徹底する」と北京市の市委員会副書記の王安順氏の言葉が引用された。「汚水やごみ処理に対し848億元、100万亩(約667万アール)の植林に300億元が投資される予定」とも伝えられた。

一方、『南方週末』は3月29日、「北京市は3年以内に環境問題の解決を公約したが、その実行の可能性は疑わしい」と題した記事を掲載した。実は、「政府が環境問題対策の公約を出すのは初めてではない。責任追及制度を言及することも初めてではない。国務院が2011年に発表した省エネ・排出削減の工作方案では、目標達成を幹部の業績評価に反映させる措置が設けられたが、この二年間に、責任追及をされた幹部がほとんどいない。南京市では、水汚染処理の問題で11名の幹部が警告を与えられたことがあった。ただし、社会全体に高い関心が寄せられている大気汚染の問題に関して、幹部の責任追及がされるまでにはまだ時間がかかるだろう」と述べた。 


(柯隆 編集)