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HOME >  中国展望 (特任教授 柯隆) >  2013年(海外ジャーナリズムの眼) >  フランス大統領の訪中と中仏関係の強化

フランス大統領の訪中と中仏関係の強化


フランスのオランド大統領が習主席の招きで訪中。両首脳は、米国には言及しないものの、超大国に支配されない、多極的な世界秩序を推進する旨表明した。また多くのフランス企業幹部もオランド大統領に同行し、複数の大きな商談が成立した。

6月21日

さる4月25日から26日にかけて、フランスのオランド大統領が習近平主席の招きで訪中した。対中貿易赤字の削減と外交関係の強化が訪問の主な目的であり、オランド大統領の訪中には、各省庁長官や多くの財界人合計260人ほどの大規模な代表団が随行。フランスは今回の訪中によって大きな成果を挙げた。エアバスの旅客機60機の売約、核燃料再処理工場の建設に関する合意、武漢市に年間15万台の自動車を生産する工場の共同建設などである。なお、将来的には、医療、金融、食品加工、環境保護などの領域においても、両国が積極的に協力していく意向が表明された。

『人民日報』は4月26日の紙面で両国首脳の談話を掲載した。「習近平主席は、『中仏は共に独立精神を持つ大国であり、共に国家の発展と振興、人民の幸福に尽力し、世界の多極化を主張し、多国間主義を堅持している』」と発言した。これに対し、オランド大統領は『仏中両国は外交面で共に独立自主を尊び、尊重し合い、多極的でバランスのとれた世界の構築を主張している。これは仏中関係の礎だ』と表明した」と報じた。「光明日報」が4月25日に掲載した「中仏関係を深める重要な契機」と題した論説では、「中仏両国は、この訪問を契機に、両国の全面的な戦略的パートナーシップ関係を深めるだろう」と伝えた。

一方、『南方週末』は5月2日に、オランド大統領の記者会見での発言を引用し、「中仏両国には安定しかつ一貫性のある関係が必要」とのタイトルの記事を掲載した。。「4月25日の記者会見において、オランド大統領が中仏関係について、『中仏両国には安定しかつ一貫性のある関係が必要である。いくつかの小さな問題により全体の関係の発展を壊してはならない』と話した」と報じた。両首脳の会談について、AP通信社は「中仏両国が、超大国に支配されない世界秩序を推進すると確認した。両首脳は、多極化する世界秩序の推進を強調した会談の中で、米国に言及しなかったが、この世界秩序が米国の影響力の低下をもたらすに違いない」と報道した。「今日の超大国は米国であり、歴史からみて、中国とフランス以上に世界秩序の多極化を推進したがる大国はいない。オランド大統領の『安定しかつ一貫性のある関係」や『いくつかの小さな問題で全体の関係の発展を壊してはならない』という言葉に含まれる政治的な意味を、米国やヨーロッパ各国は理解するだろう」と伝えた。一方、人権問題について、「オランド大統領は中国の人権問題について一切触れなかった。フランスのメディアからの質問に対しオランド大統領は、『特に強調して会談する必要がない』と回答し、経済外交を重視する姿勢を見せた」と伝えた。なお、同社の記者が記者会見でオランド大統領に質問した内容も掲載された。「『フランスがアフリカで行っている人道主義活動が、中国の現地での投資損失をもたらしている。フランスは両者のバランスをどう図るか、中国とフランスがアフリカにおいて協力するチャンスがあるか』という質問に対し、オランド大統領は『アフリカは土地が広く、発展潜在力は大きいが、安全面において混乱しているため、フランスがマリに軍隊を派遣した。中国にも現地の発展に対し責任を負ってもらいたい。腐敗防止への取り組みなどにより、現地の持続的な発展を促進できる』と回答した。両国首脳が今回の会談で第三地域での共同発展の機会について意見を交わしたという情報もあり、これは中仏関係において政治的に深い意味があるだろう」と伝えた。

(柯隆 編集)