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11月分


ニュース:強い地震動の連続が大津波を発生させる

2011年1月2日のチリ地震を研究したリバプール大学の地震学者たちは、最初の強い揺れの直後に、今まで検知されていなかった揺れが起きていたことを発見した。また、このような地震動の連続は、予測よりも大きな津波を発生させ、地震や津波の早期警報システムの再検討を必要とするものであることを突き止めた。上記の地震の場合、最初の大きな揺れのわずか12秒後、沖合30キロで同規模の強い揺れが発生していたが、通常の監視システムでは見過ごされており、今回初めて明らかとなった。(2015年11月17日)

ニュース:建築物には耐災害性が必須―国連ESCAP

国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)は、建築物の耐災害性のためのアジア太平洋地域戦略に関する専門家会議をバンコクで開催し、33か国の代表が参加した。ESCAPは、自然災害に対する建築物が耐災害性を持つことは「選択肢の一つではなく、共通の責務」であると宣言し、減災を優先事項とし、地域の持続可能な成長の一部と考えることを各国政府に呼びかけた。(2015年10月30日)

ニュース:米西部選出議員が地震早期警報システム予算を要求

シフ下院議員(民主・カリフォルニア州)、キルマー下院議員(民主、ワシントン州)ら米西部の州から選出された議員36名が、現在開発中の地震早期警報システムを完成させるための1610億ドルを2017年度予算案に含めるよう要求した。大きな揺れが到達する前に、住民や初動要員に警告すれば多くの命を救うことになるとして、次の大地震が来る前にシステムを稼動させることを強く要請している。(2015年10月28日)

ニュース:ニュージャージー州へのFEMA復興支援、68億ドル超す

ハリケーン・サンディ後にFEMA(米連邦緊急事態管理庁)がニュージャージー州に復興支援金として拠出した額は現在までに68億ドルを超えることが明らかになった。内訳は、インフラの修復や再構築のための資金提供や、瓦礫の除去や緊急対応作業を行うFEMA公共支援18億ドル、全米洪水保険プログラム35億ドル、個人・世帯プログラム4億2290万ドルなど。ニューヨーク州への復興支援金は169億ドルが支出された。(2015年10月28日)

ニュース:米政府がインフラ脆弱性研究体制を強化

全米の重要インフラの脆弱性や、障害が起きた際の影響を研究している国土安全保障省の全米インフラ・シミュレーション分析センター(NISAC)は、エネルギー省パシフィック・ノースウェスト国立研究所(PNNL)の支援を得ることに決めた。PNNLのモデル化・シミュレーション・視覚化能力を生かし、ハリケーンやテロ攻撃が重要施設や経済に及ぼす影響を予測する研究を共同で行う。(2015年10月27日)

新技術情報:パリ市内外で同時多発テロ、130名が死亡

11月13日、午後9時過ぎからフランスのパリ市内のコンサートホール、カフェなどと、パリ北部のスタジアムの計6箇所で30分ほどの間に自爆テロと発砲によるテロ襲撃事件が発生した。一番被害が大きかったコンサートホールでは89名、計130名が一連の襲撃によって殺害された。IS(「イスラム国」)が犯行を声明しており、ベルギー在住のイスラム過激派を中心としたグループの事件への関与が疑われている。(2015年11月13日)

新技術情報:高圧線のショート箇所を迅速かつ安価に検知する新たな手法

強風や氷などで高圧線が切れた場合、従来は、電流が通っていない箇所を、高圧線に設置されたセンサーを用いて見つける方法がとられていたが、スイス連邦工科大学ローザンヌ校の研究者たちは、電磁波の時間反転対称性に基づいて、断線箇所アルゴリズムを内蔵し、主要変電所に接続して用いるハードウェア・プラットフォームを開発した。高圧線がショートすると、このシステムは生じた波形を時間的に反転し、電力網モデルに再挿入して断線箇所を特定する。(2015年11月11日)
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新技術情報:HazMasterG3新版がお目見え

危険物質事件・事故において、物質を判別し、直接判別できない物質については被害者の症状から推測すると同時に、推奨される応急処置などを提示し、被害者の症状を初動要員が医療関係者などと電子的に共有することを可能とするソフトウェア、HazMasterG3の第19版がこのほど公表された。携帯用CBRNE(化学・生物・放射能・核・爆発物)判定支援システムとしては唯一、米国土安全保障省の認証を受けている。(2015年10月27日)
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新技術情報:市街地消火活動シミュレーションプログラム

ニューヨーク、シカゴ、ロサンジェルスなど米国5都市の消防局とニューヨーク大学の研究者が協力して、市街地消火訓練モジュール・ALIVEを開発した。これはオンライン上の双方向訓練プログラムで、火の回り方、近年の軽量建材で建てられた建物の消火方法、高層ビルでの消火活動の訓練などのテーマについて、ゲーム方式で消防士が要点を確認できるようになっている。(2015年10月27日)
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出版情報:NIST『建造物・インフラシステムのための地域社会回復力計画指針』

災害時に社会と経済の構成要素を維持するための長期計画を自治体が作成するための方法論として、米国立標準技術研究所が提供しているガイド。米国の自治体は、連邦政府の緊急事態準備目標に沿って州および連邦政府機関と連携した復旧・復興計画を求められている。本ガイドでは地域社会が優先事項を定めながら限られた資源を活用し、災害回復力を高めるための6段階の計画プロセスを提示する。(2015年10月29日発行、第1巻125ページ、第2巻273ページ)
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出版情報:生物テロ対策有識者会議『生物テロ対策の青写真』

ジョー・リーバーマン元上院議員とトム・リッジ元国土安全保障長官を共同議長とする米国の超党派有識者会議による報告書。米国は生物テロ対策防衛に対する中心的指導者を欠いており、戦略的計画もそのための予算も組んでいない。副大統領を生物テロ対策の責任者として調整と予算の権限を与え、連邦政府機関のほか州政府・自治体・産業界の代表を含む「生物テロ対策調整会議」をホワイトハウスに設置することを提言する。(2015年10月発行、100ページ)
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出版情報:米内務省『ゴールドキング鉱山事故の技術的評価』

2015年8月5日、コロラド州にあるゴールドキング鉱山で環境保護局(EPA)が汚水くみ出し作業を行っていた際に鉄、亜鉛、銅などの重金属を含む300万ガロン(1万1000キロリットル)の汚水を誤って近隣の川に流出させた事故に関する調査報告書。環境保護局と請負業者が、坑道入口の埋め戻し土を重機で掘り崩す前に、坑道の上から天井にドリルで穴を開けて水位を測っていれば、汚水流出事故は防げたと結論している。(2015年10月発行、132ページ)
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出版情報:GAO報告書『放射性物質密輸と闘う:リスクに基づく秘密テストと是正措置の監督は国境での能力強化に役立つ』

テロリストが放射性物質を米国内に持ち込まないよう国境を守ることは、米国の最優先事項である。国土安全保障省税関国境警備局は、空、陸、海からの通関手続地における放射性物質検知・阻止の能力をテストするため、秘密の調査を行っている。GAOは、同局がこの調査の有効性と結果を報告し、是正措置の実施を監視しているのかを検証した。(2015年10月27日発行、17ページ)
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出版情報:GAO報告書『緊急事態管理:FEMAはハリケーン・カトリナとサンディ以降、進歩を遂げたが、課題は依然残る』

GAOの最近の調査では、FEMAは米国の緊急準備体制を整えるために指導力を発揮すべく努力を行っておりいくつかの点で進歩がみられるが、いまだ課題も残されている。例えば災害支援金の不正受給を防ぐ能力は、過去のハリケーン・カトリナやリタの時よりもハリケーン・サンディ時には強化されているものの、社会保障番号の確認作業にはまだ脆弱性がみられ、今後も対策強化が必要である。管理の面でも課題が多く残されている。管理費削減の努力が行われてえおり、目標が設定されているものの、その達成はFEMA内部で義務づけられていない。GAOでは米国の緊急時準備体制、災害対応および復興、FEMA内部の管理面における問題の3分野の課題を検証した。(2015年10月22日発行、24ページ)
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出版情報:米下院国土安全保障委員会緊急時準備体制、対応、コミュニケーション小委員会証言『連邦政府の緊急時準備体制と対応能力を評価する』

GAOは2014年12月の報告書において、全米規模での演習と実際の緊急事態の経験から、連邦政府省庁の緊急対応能力のすき間を指摘したが、関係省庁はすき間を埋めるための対策を国土安全保障省やFEMAに報告していない。GAOではFEMAに他省庁と協力して対応措置の状況を定期的に報告することを勧告し、FEMAもこの勧告に同意したが、対応措置の完了期限はいまだ定められていない。(2015年10月22日)
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出版情報:米下院科学・宇宙・技術委員会エネルギー・研究・技術小委員会証言『重要インフラ防護:全米の電力網のサイバーセキュリティには継続的な注意が必要である』

政府監査院(GAO)の情報セキュリティ問題担当のグレゴリー・ウィルスフーセン主任の証言。連邦エネルギー規制委員会(FERC)は、電力業界の自主的サイバーセキュリティ規制の遵守状況を監視する方法を決めるために必要な、他の規制省庁との協力を行っていない。そのため、FERCではそうした規制の実施状況と有効性の有無を把握していない。電力業界における情報技術活用の増加に伴いサイバー上の脅威も増しており、電力網へのリスク軽減のために継続的な注意が払われる必要がある。(2015年10月21日発行、18ページ)
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