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12月分


ニュース:米国の最重要インフラのサイバーセキュリティに関する提言

米国の国家インフラ大統領諮問委員会(NIAC)は、もっとも重要かつ狙われている民間のインフラのサイバーリスクを軽減するため、官民はどのように協力すべきかを検討し、最終報告書を公表した。重要インフラのサイバー面に対する、ロシア、中国、イランといった国家を含む脅威が、政府業務の継続、経済の安定、社会秩序および国家安全保障を脅かしているとして、エネルギー、通信、金融のインフラに対する破局的なサイバー攻撃を防止するための果敢な行動の必要性を訴えている。具体的には、サイバー攻撃情報に基づく行動を可能にするしくみ、最重要サイバーシステムを守る連邦サイバーセキュリティ委員会の設置、サイバー防衛を改善するための法的権限の近代化、重要サイバー部品のサプライチェーンの安全確保を推奨している。(2019年12月19日)
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ニュース:エボラ出血熱再発による死亡例

エボラ出血熱に感染した経験があり、治癒したと思われていた患者が再び発症したという報告が12月8日、コンゴ民主共和国東部であり、この男性はその後死亡した。死後の解剖によると、この患者は再び感染したのではなく、体内に残っていたウイルスによってエボラ出血熱が再発した。一般的には、生存した元患者はエボラウイルスに対する免疫があると専門家も考えているが、世界保健機関(WHO)によると、再発の症例もまれにある。エボラウイルスは血液から検出されなくなっても脳、脊髄、目、骨髄といった「免疫の聖域」に潜んでいる場合がある。(2019年12月18日)

ニュース:CISA副長官にB・ウェア氏

米国土安全保障省はサイバーセキュリティ・インフラセキュリティ局サイバーセキュリティ担当次長のジャネット・マンフラ氏の後任に、ブライアン・ウェア氏を指名した。ウェア氏はIT実業家で、複数の特許をもっている。(2019年12月18 日)

ニュース:NZ火山噴火に観光客が巻き込まれる

12月9日、ニュージーランド北部のホワイト島の火山が噴火、島を観光で訪れていた47人が巻き込まれた。19人が死亡(死亡したとみられる行方不明者2人を含む)、25人が重い火傷を負い、3人は軽傷だった。火山活動の活発化が観測されるとして、11月下旬に噴火警戒レベル(最高は5)が1から2へと引き上げられていたが、島の観光は規制されていなかった。(2019年12月13 日)

ニュース:シュライバー国防次官補が退任

米国防総省でインド太平洋方面への関与を担当していたランダル・シュライバー次官補が今年末に退任すると報道された。シュライバー氏は対中強硬派で台湾と非常に近い関係にあり、2018年1月に就任した。国防総省では9月5日時点で、上院の承認が必要な幹部ポストのうち14席が空席となっていた。(2019年12月12日)

ニュース:全米都市サイバーセキュリティ・ランキング

サイバーセキュリティ会社Coronetの新しい報告書によると、サイバーセキュリティがもっとも脆弱な米国の都市は2年連続でラスベガスとなり、続いてヒューストン、ニューヨークだった。逆に脆弱性がもっとも低いと評価されたのはソルトレイクシティ、セントルイス、シアトル・タコマだった。(2019年12月12日)

ニュース:サモアで麻疹流行、反ワクチン運動家を逮捕

南太平洋のサモア独立国では麻疹の流行で10月以降、63人以上が死亡しており、政府は緊急事態を宣言してワクチン接種を義務化している。この国で反ワクチン運動家が、ワクチンは危険であり、パパイヤの葉の抽出物が麻疹に効果があるなどと根拠のない情報を流布したので、政府の命令への反対を扇動した容疑で逮捕された。(2019年12月6日)

ニュース:加州3郡の緊急事態計画に不備

米カリフォルニア州のビュート郡、ソノマ郡、ベンチュラ郡は2017年または18年に大きな林野火災の被害を受けた。州政府の監察官は3郡の防災計画と災害対策を検証した結果、1)災害時に住民がどのような支援を必要とするのかを平時から調べておく、2)警報・警告、避難、避難所の計画を完成し更新する、3)避難中と避難所の住民を支援するため必要なリソースを事前に手配する、というFEMA(連邦緊急事態管理庁)などの最善慣行を、3郡とも実施していなかったとして、厳しく批判した。また、郡など自治体が特別なニーズのある住民に対する支援計画を作成する際、カリフォルニア州緊急事態管理局(Cal OES)は、計画に役立つリソースを提供することなど、法律で定められた指導を行わなかったと指摘している。(2019年12月5日)

ニュース:WHOが気候変動の健康被害に対策を求める

世界保健機関(WHO)は101か国を対象とする『健康と気候変動に関する調査報告書――世界的進歩の追跡調査』を公表した。調査に参加した国の約半数がこの問題に関する戦略を立てているものの、戦略の全項目の遂行に十分な資金を確保している国は約20パーセントにすぎない。WHO長官は、気候変動への対策をとらなければ、未来の世代だけでなく現在の人々も健康被害を受けると警告している。(2019年12月5日)
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ニュース:加州林野火災の原因は電力会社の多数の過失

2018年11月8日に発生し、85人の死者を出した「キャンプ火災」の原因を究明してきた米カリフォルニア州の調査チームが、700ページに及ぶ報告書を公表した。同州北部の電力会社のPG&E社が州の規制の多くに違反し、送電線の保守を怠っていた実態がつまびらかにされた。大規模林野火災の火元とみられる送電塔に、社員が上って検査を行ったことは2001年以後一度もなかったことなど、運営上の深刻な怠慢が明らかになった。(2019年12月3日)

ニュース:米政府随一のサイバーセキュリティ専門家が民間へ転出

米国土安全保障省サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ局でサイバーセキュリティ担当次長を務めたジャネット・マンフラ氏が今年末に退任し、民間企業に転じる予定であることが明らかになった。マンフラ氏は、サイバーセキュリティを担当する米政府幹部職員の中でももっとも経験豊富な人物として知られていた。今年末に退任するのは、2020年大統領選までに、後任者が役割に慣れるための時間を確保するためだという。(2019年11月21日)

技術研究情報:送電線の障害の兆候を診断して停電と林野火災を防止

電線の状態を診断して、停電の場所と原因を特定したり、停電や林野火災の原因となりうる放電を探知したりするソフトウェアを、テキサスA&M大学の研究チームが開発した。配電障害予測(Distribution Fault Anticipation)というソフトウェアは、パターン認識と高度な信号処理の概念を、電力網の10年以上のデータに応用した成果である。配電機器の不具合の兆候を診断し、破局的な停電や放電が起きる前に、問題のある機器を発見し、修理を促す。送電事業者による実証試験では、放電による林野火災の火元となりうる枝の位置や、250キロメートル以上の送電回路の利用者のうち1軒だけに影響している障害の位置を、正確に示している。(2019年12月17日)
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技術研究情報:橋梁の制震のための地中アンカー

大地震から橋梁が受ける衝撃を和らげるため、両端を地中のアンカー(錨)とケーブルでつなぎ、制震機能をもたせるしくみを、シドニー工科大学が開発した。アンカーも高張力鋼ケーブルで作ると、橋の上部構造を引っ張る力を吸収するので、橋はひび割れないという。安上がりで、既存の橋の補強に使えることも注目される。(2019年12月11日)
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技術研究情報:台風の風速が弱まってから雨量が増える

強い台風(タイフーン、ハリケーン、サイクロン)と弱い台風(トロピカル・ストーム)は風速で定義されているが、カリフォルニア大学サンタバーバラ校の研究者は、強い台風が上陸したときよりも、衰えて弱い台風となった後のほうが、雨量が増えることを発見した。研究成果はジオフィジカル・リサーチ・レターズ誌に掲載された。(2019年12月5日)
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報告書など:FEMA「災害後の建築物安全評価手引き」

災害後の建築物安全評価の現在の慣行を、構造的・非構造的な安全と居住性に関する推奨策を含めて解説する。最善慣行の文書がない問題については、暫定的な推奨策を示す。地震、ハリケーン、洪水、竜巻、津波、地滑りなど地盤の不安定、火山、雪・雹《ひょう》・氷雨、火災、爆発を対象とする。本書は災害・事件の種類と規模も、政府の災害宣言の有無も問わず、建築物評価に有用な参考書である。評価の種類は、車両や航空機からの偵察(評価を優先する地域を決める)、応急評価(1棟当たり平均30分の目視で、明らかに危険な建築物、詳細評価が必要な建築物または使用制限を決める)、詳細評価(1棟当たり1-4時間の目視で使用制限または工学評価の必要性を決める)、工学評価(図面、損害データ、新たな構造計算によって損害の程度と建築物を安定化・修理する方法を決める)の4種類がある。応急評価または詳細評価を行った建築物には緑(検査済み・合法的居住可能)、黄色(制限付き使用可能)または赤(危険)のカードを掲示する。(2019年12月18日発行、228ページ)
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報告書など:米国科学・工学・医学アカデミー出版「カリフォルニアの林野火災の健康、地域社会、防災への意味合い」

米国科学・工学・医学アカデミー内の4組織が2019年6月4-5日、カリフォルニア州などの林野火災の増加が公衆衛生、環境衛生、防災、健康の公平性に対する影響について行ったワークショップの概要。原野や気候の専門家は、近年のカリフォルニアなど米国西部における林野火災の件数と破壊力の増加が、継続または悪化すると予測している。林野火災などの災害は、経済的・医療的に脆弱な地域の社会にとって壊滅的である。こうした地域の住民は、災害の健康影響が大きく、対応・復旧に使える資源が少なく、国・州・自治体から受ける支援も少ない。木が燃えると粒子状物質など有毒物質が放出されるので、林野火災の健康影響は火傷にとどまらない。有毒物質は急性暴露だけでなく、土壌と水に沈殿すれば慢性暴露もありうる。(2019年12月11日発行、120ページ)
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報告書など:GAO報告書「気候変動に対する回復力――優先度の高い事業に対する戦略的投資は、連邦政府のリソースの集中投下に役立つ」

2018年だけで、米国では損害と復旧費用が10億ドル(1090億円)を超える自然災害が14件あり、被害総額は910億ドル(9.9兆円)に上った。この費用は、気候変動とともに増えていくおそれが強い。海面上昇などの危険に対する地域社会の備えを支援する事業は、気候変動に対する回復力をつけて、将来の損害と復旧費用を減らすことができる。連邦政府は随時、個別の事業に投資しているが、効果の大きな事業から優先順位をつける戦略をもっていない。GAOは、連邦政府の投資にふさわしい気候変動回復力事業を特定して優先順位をつけるための、連邦政府組織を設立することを、米議会が考慮するよう推奨する。(2019年12月11日公表、72ページ)
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報告書など:FEMA Prep Talk「地域社会に主導権を――指揮統制システム再考」

米国西部で災害ボランティアを派遣するNPOの運営者アーロン・タイタス氏の講演。緊急時の自治体の危機管理担当者の指揮能力には限度があるので、地域社会との対等に連携していく方法を考える必要があると説く。(2019年12月10日)
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報告書など:FEMA「2019年全米準備体制報告書」

国家と国民にとってリスクのもっとも大きな脅威・危険・インシデント(不測事態)に対し、予防・防護・減災・対応・復旧の能力を構築・維持するうえで、達成された進歩と残る課題を概説する。連邦政府・州政府・自治体、民間部門、非営利部門および市民に対し、準備体制の実用的な見方を提供し、事業の優先順位、資源の配分、地域社会などでの行動に関する意思決定を支援する。(2019年12月2日、60ページ)
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報告書など:FEMA出版物第1号「われらFEMA――災害の前、最中および後で人々を助ける」

FEMA(米連邦緊急事態管理庁)職員に、防災関係者全体の中での自らの役割を理解させ、日常の業務と意思決定に方針を与える、最上位の原則と指針(キャップストーン・ドクトリン)。FEMA職員とは何者であり、FEMAはどのような歴史によって今日の形になり、予測不可能で移り変わる脅威にどのように対処しており、災害の前、最中および後で人々をどのように助けており、FEMAの業務はどのような原則に導かれているのかを解説している。(2019年11月22日発行、56ページ)
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報告書など:GAO報告書「沿岸警備隊――展開可能な専門部隊の人員のニーズを査定することは、効率を高め、能力のギャップや重複を軽減することにつながる」

米沿岸警備隊はテロ、薬物密輸、環境災害から港湾を守るために専門部隊を運用している。これらの専門部隊は互いに似た技能が求められるので、多くの部隊は似た任務を行うことが可能である。そのため、複数の部隊が重複した任務を与えられ、一部の部隊は十分に活用されない場合がある。GAOは、沿岸警備隊が不要な重複の程度を調査し、合理化を図ることを推奨する。(2019年11月21日発行、44ページ)
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