グローバルナビゲーションへ

本文へ

フッターへ



サイトマップ

検索

HOME >  危機管理海外ニュース >  2020年 >  11月分

11月分


ニュース:米国でヘイトクライムが増加

FBIが「2019年ヘイトクライム統計報告書」を発表し、ヘイトクライムの件数が前年度比2. 7パーセント増えて7314件となったと明らかにした。件数は2008年以来もっとも多かった。とりわけ殺人の増加が著しく、2018年度には被害者は24人だったのが、2019年には2倍以上の51人が殺害された。(2020年11月17日)

ニュース:米大統領、サイバーセキュリティ庁長官を解任

トランプ米大統領は、国土安全保障省サイバーセキュリティ・インフラストラクチャ―庁(CISA)のクリストファー・クレブス長官を解任したとツイートした。CISAは外国勢力による選挙への干渉やネット上で偽情報を拡散する動きから大統領選を守る役割を担ってきた。クレブス長官は12日、今回の大統領選挙には投票のすり替えや改ざんの証拠は一切なく、公正な選挙であったとする文書を、米国の主要な選挙管理責任者と連名で発表していた。(2020年11月17日)

ニュース:FEMA、緊急時準備計画ガイドの草稿を公表

FEMA(米連邦緊急事態管理庁)は「包括的準備体制ガイド101(=初級)緊急時オペレーション計画の策定と維持」の改訂版を公表し、意見を募集している。同ガイドは、計画担当者が脅威や危険を検証したうえで統合・調整・同期された計画を策定することを助ける目的で、緊急時オペレーション計画の策定にあたっての指針を示し、地域社会に根差しリスクに基づく計画と意思決定の基礎に関する理解の共有を促す。前回の2010年に改訂されてから、実務者は実任務と演習から教訓とよい慣行を見つけたし、計画担当者に影響のある、国の政策やドクトリンも変化した。2021年1月25日まで意見を受け付ける。(2020年11月17日)
掲載元へのリンク(PDFファイル)

ニュース:モデルナ社ワクチン、有効性94%超

米モデルナ社が、開発中の新型コロナウイルスワクチンの臨床試験(3万人が参加)において94.5パーセントの有効性が認められたと発表した。同社は数週間以内に米食品医薬品局(FDA)に緊急使用承認を申請する予定で、年内に米国内に約2000万回分のワクチンを出荷する見込みだという。(2020年11月16日)

ニュース:米国の新型コロナ感染、日に17万7000人超

米国で新型コロナウイルス感染拡大がとどまる気配を見せず、11月初めの約10日間で100万人の感染が確認される事態となっている。13日には全米の1日の感染者数が17万7000人を超え、死者数は1300人に迫った。春先に感染者が増えた際には、ニューヨークやシカゴなど大都市や、フロリダやテキサスなど人口の多い地域に集中しており、帰国者や大規模イベントなどの感染源をたどることが容易だったが、今は中西部をはじめ全米に広がっており、感染源不明の患者が多い。(2020年11月13 日)

ニュース:春先と比べて新型コロナ死亡率3割減

新型コロナウイルス感染症による現在の死亡率は、治療法の向上などにより今年4月時点と比べて3割ほど減少していると、ワシントン大学(シアトル)の研究者チームが発表した。例えば米国では、流行当初の致死率0.9パーセントに対し、現在は0.6パーセントまで下がっているという。抗凝血剤の使用や酸素吸入といった治療法や、一般的なステロイド薬デキサメタゾンといった薬物の効果が判明したことが貢献していると考えられる。また、致死率は年齢との相関関係が強いことも統計から判明し、年齢が1歳上がるごとに死亡率は平均9パーセント上昇するという。(2020年11月12日)

ニュース:ファイザー社のワクチン、9割を超える有効性

ファイザー社と独ビオンテク(BioNTech)社は、共同開発してきた新型コロナウイルスワクチンの臨床試験第3段階を予備的に分析したうえで、有効性が9割以上だと発表した。第1世代のワクチンの有効性は7割未満の場合が多いので、格段に高い有効性といえる。複数の人種を含む4万3000人以上の治験者が参加し、安全性に問題はみられなかったという。近日中に米食品医薬品局(FDA)の緊急時使用承認の取得に向けた申請を行う予定。(2020年11月9日)

ニュース:ミンクから新型コロナウイルス変異種検出

デンマーク政府は、国内で飼育されているミンクから、変異した新型コロナウイルスが発見され、ヒトへの感染が確認されたとして、毛皮を利用するために国内で養殖されているミンク1700万匹を殺処分する方針を明らかにした。ウイルスの表面に出ておりヒトの細胞の受容体と接合するスパイクタンパク質が変異した結果、抗体の効果が弱まり、今後市場に出てくるワクチンの効果を半減させるおそれがあるという。ウイルスはヒトからミンクに感染、変異したウイルスが今度はミンクからヒトに感染したと考えられ、すでにミンクから感染したとみられる感染者がデンマーク北部に12人いる。ミンクなどイタチ科の動物は他の動物よりも新型コロナウイルスに感染しやすいとみられ、専門家は注意を呼びかけている。(2020年11月7日)

ニュース:ウィーンで銃撃、4人死亡

オーストリアの首都ウィーンの都心6か所で11月2日夜、銃撃があり、4人が死亡、22人が負傷した。警官に射殺された犯人の1人は、北マケドニアとオーストリアの二重国籍をもつIS(いわゆる「イスラム国」)支持者とみられる。過去にISに参加する目的でシリアに渡航を試み、2019年に禁固22か月の有罪判決を受けたが、12月に青少年法により早期釈放されていた。オーストリアでは新型コロナウイルス感染拡大を受けて翌3日から飲食店の営業停止や夜間外出禁止を含む規制が施行されることになっており、当日夜は規制前の外出を楽しむ人々が街に出ていた。(2020年11月3日)

ニュース:トルコで大きな地震被害

10月30日、エーゲ海を震源とするマグニチュード7.0の地震が発生し、その後もマグニチュード4以上の余震が続いている。死者116人中114人はトルコ側に集中している。とくに被害の大きかったトルコ第3の都市イズミルでは、犠牲者の大半は倒壊した建物の下敷きになっていることから、耐震基準を満たしていなかった建築物が多かったものとみられている。建築法違反などの疑いですでに11人に逮捕状が出ている。(2020年11月3日)

ニュース:欧米で新型コロナ感染拡大

欧州で報告された新型コロナウイルス感染者数が過去10日間で2倍以上に増え、22日には1日20万人を初めて超えた。イタリア、オーストリア、クロアチア、スロベニア、ボスニアなどで1日の感染者数が過去最多となったほか、10月25日にはスペイン政府が新たな緊急事態宣言を出して外出を制限するなど、各国は再度、都市封鎖を実施、不要不急の外出を制限する方針を打ち出している。累計の感染者数が欧州でもっとも多いフランスでは、マクロン大統領が演説し、何も対策を取らなければ40万人以上が亡くなるおそれがあると国民に協力を呼びかけ、10月30日から12月1日までの外出制限を発表した。英国でも11月2日から1か月間、同様の外出制限が実施される。ドイツが11月2日から30日まで課す行動制限は、今春ほどではないが、店内飲食は禁止する。(2020年10月30日)

ニュース:表現の自由をめぐりフランスでテロが続発

仏ニースの教会で3人がナイフによって殺害された数時間後、IS(いわゆる「イスラム国」)は現場の写真を週刊のニュースレターに掲載し、フランスに預言者ムハンマドの肖像画掲載を禁止させるよう脅威を与え続けることを呼びかけた。その後、フランスはテロに対する警戒レベルを緊急事態レベルにまで引き上げた。10月16日には表現の自由の授業中に預言者ムハンマドの風刺画を取り上げた教師が帰宅途中で斬首、殺害され、9月25日には風刺画を掲載したシャルリ・エブド紙の旧事務所の外に立っていた2人が包丁で襲われ重傷を負うなど、フランスではイスラム過激派のテロ行為が頻発している。(2020年10月29日)

ニュース:FDAが新型コロナ治療薬を初めて承認

米食品医薬品局(FDA)は10月22日、抗ウイルス薬Veklury(レムデシビル)を、成人および12歳以上で体重が40キロ以上の新型コロナウイルス感染症入院患者に対して使用することを承認した。同感染症の治療薬がFDAに承認されるのは初めて。5月に緊急使用が許可された際には小児への使用も含まれていたが、小児への使用に関する臨床試験は現在進行中である。(2020年10月22日)

技術研究情報:効果的な災害警報―豪クイーンズランド工科大学

オーストラリアのクイーンズランド工科大学林野火災・自然災害共同研究センターは、災害警報の受け手に自分の命を守る行動を取らせる効果を高める方法を研究した。その結果、洪水や火災の際に行動を取らせる語句を用いることと、災害のステージごとに警報の長さやメッセージ内容を変えるのが効果的であること、避難をしない決断をする人の大半はペットを飼っているといった特徴を把握した。また実験の参加者の8割近くは災害時の安全確保に責任を持つのは自分自身であると考えており、信頼に足る時宜を得た災害情報や行動を促す警報が重要な意味をもつことも示唆された。(2020年11月3日)
掲載元へのリンク

技術研究情報:カルデラの崩壊予測研究―豪モナシュ大学

火山噴火時のもっとも危険な現象といえる、カルデラの崩壊を予測する研究がScientific Reports誌に掲載された。カルデラが崩壊すると津波や火砕流が発生するが、予測が極めて難しい。豪モナシュ大学の研究チームは、カナリア諸島ラ・パルマ島タブリエンテ・カルデラの内部構造図を、ドローン(小型無人航空機)を用いて作成した。そして火山内部の熱量を推測、長期にわたって熱量が徐々に蓄積され、火山が不安定化していくことで崩壊が起こる可能性が高いことを発見した。(2020年10月22日)
掲載元へのリンク

報告書など:全米アカデミーズ出版「運輸当局のためのパンデミック戦略」

新型コロナウイルスのみならず、今後も他のウイルスが流行する可能性がある中、パンデミックの際に何をしなければならないか、いつ、誰がそれをおこなうのかということに焦点を当てて運輸当局のための戦略を考える。州政府の運輸当局幹部への聞き取り調査に基づいて、現在の効果的な慣行を要約する。(2020年11月時点の出版前原稿)
掲載元へのリンク

報告書など:全米アカデミーズ出版「COVID-19パンデミック時の矯正施設の収容者数削減」

矯正施設は、建物が古くて換気が悪いことが多いうえに、入れ替わり立ち代わり多くの被収容者が詰め込まれており、新型コロナウイルスの感染を加速させている。被収容者は平均的な一般人よりも不健康な人が多く、重症化リスクも高い。本報告書では、パンデミックの際に矯正施設で暮らす被収容者数を減らし、釈放された人の社会復帰を支援するための最善慣行を検証する。(2020年11月19日、134ページ)
掲載元へのリンク

報告書など:GAO報告書「COVID-19 連邦政府はワクチンや治療薬の開発を加速しているが、緊急時使用許可にはさらなる透明性が必要である」

新型コロナウイルスのワクチン、治療薬、診断法の開発、生産、流通の加速を目的とする「オペレーション・ワープスピード」において連邦政府は民間企業と協力し、6つのワクチン候補の開発支援には100億ドル(1兆0500億円)以上を費やしている。それとは別に、FDA(食品医薬品局)は未承認の薬剤の緊急時使用許可を4件承認しているが、認可の経緯は必ずしも明らかでない。国民の信頼を得るために、GAO(米政府監査院)は、認可した薬剤の安全性と効果の検証結果を国民により広く知らせることを推奨する。(2020年11月17日公表、51ページ)
掲載元へのリンク

報告書など:ジョバンニ・アポローネほか著「イタリアにおけるパンデミック前の予期せぬSARS-CoV-2抗体の検知」

新型コロナウイルス感染がいつから世界で始まったのかを調べるため、2019年9月から20年3月にかけて肺がんスクリーニング検査に参加した、新型コロナウイルス感染症の症状のない被検者について、同ウイルスの抗体検査を行った。被検者の11.6パーセントに抗体が見つかり、2019年9月時点で14パーセント、2020年2月の2週目には30パーセント弱のケースがまとまって見つかった。ロンバルディア州の被検者の抗体保有率は53. 2パーセントともっとも高かった。このことから、イタリアでは初の感染例が報告されるかなり前から、症状のない新型コロナウイルス感染者がいたことが証明された。腫瘍学雑誌トゥモリ・ジャーナル論文。(2020年11月11日)
掲載元へのリンク

報告書など:米サイバーセキュリティ庁「より回復力のあるICTサプライチェーンを構築する」

国土安全保障省サイバーセキュリティ・インフラストラクチャー・セキュリティ庁が、新型コロナ・パンデミック発生時に問題となったサプライチェーンの脆弱性について調査した。情報通信技術(ICT)を例にとっているが、いかなるサプライチェーンにもあてはめることができる。主な教訓として、1)別々の地域に位置する複数の供給元を持ち、供給元の多様化を図ること、2)在庫を最小限に抑えると、緊急時には重要な部品や機材が不足し、納期が遅れるリスクがあること、3)広範なサプライチェーンの可視化の必要性を挙げた。(2020年11月10日公表、52ページ)
掲載元へのリンク

報告書など:全米アカデミーズ「COVID-19パンデミックに際しての診断検査に関する重大な問題についての専門家による緊急審議」

新型コロナウイルス感染者の医療並びに医療関係者およびエッセンシャルワーカーの防護にとって、診断検査は要となってきた。感染と死亡を減らすための戦略上、重要となる4分野、1)RT-PCR検査の利点と限界、2)POCテスト(臨床現場即時テスト)の現状、3)検査戦略すなわち使用するテストの種類と順番に関する懸念、4)処理能力が高いか安価なテスト法を提供する次世代検査、を中心に論じた。(2020年11月9日)
掲載元へのリンク

報告書など:全米アカデミーズ出版「公衆衛生上の緊急時準備体制と対応のためのエビデンスに基づいた慣行」

公衆衛生緊急時準備体制及び対応システムは根本的に複雑で、政策、組織、プログラムを包括するものである。2001年の同時多発テロ以降、米国は公衆衛生上の緊急時体制およびインフラの改善のため多額の投資を行ってきたが、全米レベルでその慣行を包括的に検証し採点したものはない。本報告書では、公衆衛生緊急時準備体制及び対応システム慣行のエビデンスの現状と、システムをさらに前進・強化するため必要となる改善点を検証する。慣行の益と害のバランスを理解し、緊急事態が起こった後にリスクを抱える人々の状況を改善するための地域社会に根差したパートナーの育成、公衆衛生危機管理センターの稼働、警報の発信、感染症の拡大を防ぐ隔離対策の導入を行うため、エビデンスに基づいてシステムを評価する。(2020年11月発行、500ページ)
掲載元へのリンク

報告書など:ロバート・ハンドフィールド他著「ポストコロナ時代のサプライチェーンのための共有地―戦略的国家備蓄を刷新すべき理由」

従来、サプライチェーンリスクについては、ある地域内での特定の購入物資の供給が途絶えるリスクを最小化することや、国境を越えての輸入制限の内容が変わることについての研究が大半を占めてきた。世界的なサプライチェーンリスクの中心で作用する、情報資産の集合に呼応する社会の共有リソースに基づいた戦略を考える必要がある。米国に必要なのは単なる備蓄ではなく、備蓄品のネットワーク、流動的な在庫状況、専門家によって管理された分析的監視を行う共有リソースに基づいた戦略だろう。公衆衛生学雑誌ミルバンク・クォーターリーが受理した論文。(2020年11月2日公表)
掲載元へのリンク