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11月分


ニュース:デング熱感染を米アリゾナ州で確認

蚊を介して感染するデング熱が米アリゾナ州で発見された。マリコパ郡住民への感染が確認され、付近の蚊を検査したところ、デングウイルスをもつ蚊が少数、見つかったという。同郡衛生局は市中感染が始まっているとみている。アリゾナ州でデング熱の患者が見つかるのは初めてではないが、過去の患者は全員、風土病となっている地域への旅行から帰った後に感染が確認されており、州内で感染した患者は今回初めて確認された。
(2022年11月17日)

ニュース:史上4番目に暖かい10月を記録

2022年10月の地球の平均気温は20世紀の平均より0.89度高く、この143年で4番目にもっとも暖かい10月となったことを米国立海洋大気庁(NOAA)が発表した。北半球は観測史上2番目、欧州はもっとも暖かい10月を記録したという。観測史上もっとも暖かい10月は2015年に記録され、2番目は2019年、3番目は2018年だった。
(2022年11月16日)

ニュース:FBI長官「最大の脅威は国内過激派」

FBI(米連邦捜査局)のレイ長官は11月15日、下院国土安全保障委員会で証言し、FBIはいかなるテロリストによる攻撃も、どこでも未然に防ぐことを引き続き最優先していると述べた。米本土に対するテロ攻撃の最大の脅威として、ネット上で思想を過激化させた一匹狼的なテロリストや小集団を挙げた。手近にある武器を使ってソフトターゲット(警備が手薄になりがちで攻撃されやすい標的)を狙うテロは事前に察知することが困難であり、課題であり続けるという。
(2022年11月16日)

ニュース:トルコ・イスタンブールで爆発、6人死亡

トルコ最大の都市イスタンブールの繁華街で11月13日夕方、爆弾が爆発し、6人が死亡、81人が負傷した。現場のイスティクラル通りは欧州側にある歩行者専用の大通り。トルコ当局は実行犯1人のほか46人を逮捕し、クルド人の分離独立主義組織であるクルド労働者党(PKK)およびシリアのクルド民主統一党(PYD)の犯行だと非難している。PKKも、PYDを最大勢力とするシリア民主軍(SDF)も関与を否定している。
(2022年11月14日)

ニュース:地球の年間平均気温は最高記録を8年連続更新

地球の年間平均気温は最近8年連続で前の年より上昇したとする報告書を、世界気象機関(WMO)が国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)開催にあたって公表した。19世紀後半以後の現存する記録と複数の科学的研究結果を合わせて算出した。海面上昇の速度は、人工衛星による観測が始まった1993年と比べて2倍に加速した。欧州の氷河は2022年に史上最大の融解を記録した。9月のグリーンランドでは例年、雪が降って雨は降らないのだが、今年は史上初めて9月に雨が降った。
(2022年11月7日)

ニュース:FEMAなどが地域気象データのポータルを設立

米国のFEMA(連邦危機管理庁)、エネルギー省アルゴンヌ国立研究所、AT&T社は、気候災害リスクに備えて、今世紀半ばから後半の米国各地の都市における気候条件のシミュレーションを示す「気候リスクおよび回復力ポータル」(ClimRR)を設立した。気候災害リスクに備える分析や計画に役立てるため、査読済みの気候データセットを無料で公開する。まず米本土の降水、気温、風力・風向のデータを高い空間分解能で提供し、今後1年以内に内陸・沿岸の水害、干ばつ、林野火災のデータを追加し、他の米国領土にも拡大することを予定している。
【関連リンク】
https://disgeoportal.egs.anl.gov/ClimRR/
(2022年11月7日)

技術研究情報:電力網への気候変動の影響を研究

米イリノイ州最大の電力会社コモンウェルス・エジソン(ComEd)とエネルギー省アルゴンヌ国立研究所は、電力網とその運営に対する気候変動の影響に関する第1段階の研究結果を公表した。温暖化とそれに伴う気候の湿潤化は、電力網の機器に大きな影響を及ぼすので、電力網の信頼性を維持するためにはこの影響の緩和と対策が欠かせない。機器製造時に想定されていたよりも高い負荷がかかっている変圧器や導体の問題、冬場の凍結リスクなど、極端な気象現象の影響への理解を深めることや対応策を提案している。研究の第2段階は来年開始を予定しており、洪水リスクおよび暴風・竜巻の原因となる上昇気流の影響を検討する。
(2022年11月15日)

技術研究情報:送電塔が連続して災害にあって倒壊するリスクのモデル

地震や台風など複数の災害が起きやすい地域では、災害で損傷した送電塔・送電線を修理する間もなく、次の災害を受けるおそれがあるが、1回目の災害を受けた送電塔・送電線は壊れやすくなっている。オハイオ州立大学の研究チームは、台風と地震のマルチハザード脆性(壊れやすさ)モデルを作成した。送電塔・送電線のマルチハザード分析の数値シミュレーションは、複雑または不確かな変数が多いので計算に費用がかかる。そこで研究チームは、送電塔倒壊の物理学的データを確率論的に分類する、新しい能動学習アプローチを開発した。この機械学習モデルから、連続して災害にあった送電塔の信頼性は、1回目の災害にどれだけ耐えたかに影響されることがわかる。研究チームは、1回目の被害を軽減して復旧を早めるようなシステムの設計・管理の可能性を探るためにモデルを役立てようとしている。研究はEarthquake Engineering and Structural Dynamics誌に掲載された。
【関連リンク】
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/eqe.3735
(2022年10月26日)

技術研究情報:ネズミにカメラを背負わせて瓦礫捜索

ベルギーを拠点とする非営利団体APOPOは、ネズミにビデオカメラを背負わせて訓練し、災害時に瓦礫の中の生存者を捜索する要員を支援しようとしている。ネズミの好奇心旺盛で探検好きな性質が捜索救助活動に強みを発揮すると研究者は考えている。APOPOの事業では、飼育下で長生きするアフリカオニネズミを訓練している。
(2022年10月25日)

技術研究情報:米東海岸でハリケーンの成長率が上昇

米エネルギー省パシフィック・ノースウェスト国立研究所(PNNL)の研究チームは、米国大西洋岸に接近したハリケーンの成長率が上昇していることを突き止めた。1979年から2018年までのデータによると、大西洋岸では接近したハリケーンの風速が24時間に増加する程度が強まっている。温暖化が進むにつれ、ハリケーンが発達する速度はあがり、洪水のリスクも上昇する。この観測結果は気候変動モデルの予測と一致しており、モデルは今後もハリケーンの成長率が上昇を続けると予測している。この現象はメキシコ湾岸ではみられないものの、太平洋北西部(東アジア)やアラビア海北西部でも観測されている。研究結果はジオフィジカル・リサーチ・レターズ誌に掲載された。
【関連リンク】
https://agupubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1029/2022GL099793
(2022年10月21日)

技術研究情報:二次災害を防ぐスマホ向けアプリ

米国ワシントン州の消防士が、災害発生時に家屋の二次災害を防ぐためのスマートフォン用無料アプリDwell Secureを開発し、このほど公開した。利用者は自分の住宅の情報を入力し、ガスや水道のメーター、分電盤などの設置場所が分かる写真やビデオをアップロードすると、緊急時にガスや水道の元栓を閉める方法を画像で示す。地震などの災害時に火災が発生しても、消防は各々の現場に急行できないが、このアプリは、住民一人ひとりがガスの元栓を閉めるなどして二次災害を防ぐのに役立つ。
【関連リンク】
https://dwellsecure.app/
(2022年10月21日)

報告書など:全米アカデミーズ「パンデミック後の世界に向けて―現在と将来へのCOVID-19の教訓」

新型コロナウイルス感染症の世界と米国における流行の教訓を把握するため、全米アカデミーズの「微生物脅威に関するフォーラム」は2021年にオンラインワークショップを2回開催した。本報告書にまとめた2回目のワークショップは、進行中のパンデミック対応の教訓やデータを現在の公衆衛生システムに導入することによって、回復力を高め、将来の感染症流行への備えを強化することを中心に進めた。新型コロナウイルス感染症の精神衛生への影響や、健康の社会的決定要因といった健康の公平性に対する長期的効果について検討した。また、信頼やコミュニケーションなどパンデミック対応の不確実な面も議論し、現在の対応を改善して次のパンデミックに備えることを目的として、復旧努力を体系化する方法を模索した。
【関連リンク】
https://nap.nationalacademies.org/catalog/26556/
(2022年10月発行)

報告書など:GAO報告書「林野火災―連邦政府の林野消防士の採用と離職防止の阻害要因」

近年の米国で大規模化・長期化している林野火災の消火にあたる米政府の消防士は、農務省森林局および内務省の4機関に所属する約1万8700人である。その採用と離職防止が難しくなっていることについて、GAO(米議会の政府監査院)は各機関および米政府以外の利害関係者への聞き取りと文献調査により、七つの阻害要因を割り出した。低賃金、キャリアアップの困難、ワークライフバランスの困難、精神保健上の問題、遠隔地または物価の高い地域での勤務、労働力の多様性の不足、採用プロセスの問題である。森林局と内務省がとっている対策を記述する。
【関連リンク】
https://www.gao.gov/products/gao-23-105517
(2022年11月17日発行、41ページ)

報告書など:GAO報告書「災害復興―連邦政府の取り組み方を改善する措置が必要」

水害、ハリケーン、林野火災といった災害から復興中の地域社会に、米政府は多額の支援金を拠出している。しかし、米政府の災害復興事業は30以上の省庁がおこなっているので、被災地の自治体等はどこに支援を求めればよいのかわからないことが多い。GAOは、断片化している災害復興事業を改善する措置を明らかにして実施することを推奨する。また、災害復興に対する米政府の取り組み方を改善しうる11の選択肢を、それぞれの長所と短所とともに示す。米議会は改革を推奨するための独立委員会の設置を検討されたい。
【関連リンク】
https://www.gao.gov/products/gao-23-104956
(2022年11月15日発行、101ページ)

報告書など:「マンチェスターアリーナ調査報告 第2部 緊急事態対応」

2017年5月22日に英国マンチェスターのコンサート会場に男が持ち込んだ爆発物により23人が死亡(実行犯1人を含む)、59人が負傷した自爆テロ事件について内務大臣が独立委員会に委任した調査のうち、救助活動など発生当日の対応に関する報告書。失敗したことの多くは、過去の緊急事態または演習でも失敗していた。緊急サービス相互運用性合同プログラム(JESIP)は、複数の組織による救出活動の計画・情報・意思決定を調整するため、2005年7月7日のロンドン同時爆破テロを受けて導入されたが、マンチェスターアリーナでは機能しなかった。JESIPが機能していれば、より多くの救急医療隊員が現場に入ってトリアージと救命措置をおこない、消防士は負傷者を組織的かつ安全に駅前へ運び出すことができたと考えられる。
【関連リンク】
https://manchesterarenainquiry.org.uk/report-volume-two
(2022年11月7日発行、1808ページ)

報告書など:FEMA「継続的改善のための手引き」

危機管理の継続的改善活動をインシデントの発生前、発生時、発生後に、矛盾なく厳密におこなうための枠組みを提供する目的で作成された手引き。まだ継続的改善活動をおこなっていない組織を含め、防災・危機管理のため協力する官民のあらゆる組織のために、官民の最善慣行に基づいて作成された。あらゆる規模の組織に合わせて内容を拡大縮小できる。追加のテンプレート(ひな形)、最善慣行、訓練などのオンラインリソースへのリンクも充実している。
【関連リンク】
https://preptoolkit.fema.gov/web/cip-citap/ncig
(2022年10月25日発行、95ページ)

報告書など:GAO「国防総省および情報コミュニティの生物学的脅威に対する準備体制」

米国防総省に属する国家医療情報センター(NCMI)は、感染症・バイオテクノロジー・生物兵器の脅威情報の成果物とその配分を増やしている。その一方で、GAOは、同センターの指針とプロセスに隙間があるので、一部の相手と適切に成果物を共有できていないと指摘した。また、国防総省はバイオディフェンス戦略を再検討しており、適切な措置を講じているものの、GAOは、同省全体のバイオディフェンスの資源を割り出して適切に投資を集中する戦略の策定など、さらに必要な措置も示した。さらに、GAOは遺伝データに関連するリスクを軽減するため必要な措置も指摘した。
【関連リンク】
https://www.gao.gov/products/gao-23-106066
(2022年10月発行)