グローバルナビゲーションへ

本文へ

フッターへ



サイトマップ

検索


1月分


ニュース:カリフォルニア州で豪雨被害

米カリフォルニア州で2022年12月末から豪雨が続いて洪水が起き、22人が死亡し、損害額は10億ドル(約1300億円)に達したと見積もられている。1月10日時点で住民10万人以上に避難が命令または勧告され、22万世帯が停電、400以上の公立学校が休校となった。熱帯から中緯度帯に伸びる水蒸気帯「大気の川」により、線状降水帯が発生しやすくなることは、日本の集中豪雨でも観測されている。カリフォルニアでは大気の川が長くとどまったので、洪水や地滑りが発生した。専門家によると、今回の極端な気象現象の原因としては、気候変動よりもカリフォルニアの起伏に富んだ地形、大量の雨水を処理する能力をもたない老朽化したインフラ、干ばつと洪水が交互に起きる独特の気象状況によるところが大きいという。
(2023年1月19日)

ニュース:FBIがネオナチによる電力網への攻撃増加を警戒

米国北西部のオレゴン州やワシントン州で2022年6月以後、変電所が銃撃されたり放火されたりする事件が15件起きており、2016-21年の合計を上回っている。オレゴン公共放送とワシントン州の公共ラジオ局KUOWが入手したFBI(連邦捜査局)の文書は、こうした攻撃をネオナチが呼びかけてきたことを指摘している。「懸念される人物は、電力インフラへの攻撃が、米国社会を崩壊させて人種戦争を引き起こすという彼らの思想的目標に貢献すると考えている」として警戒を呼びかけている。2022年12月にはノースカロライナ州の変電所が攻撃され、連邦エネルギー規制委員会は、全国の発電所や変電所に物理的防護を義務付けるべきか、4か月間の調査研究を始めた。
(2023年1月19日)

ニュース:ウガンダのエボラ出血熱流行が終息

ウガンダ保健省は1月22日、スーダン・エボラウイルスの流行の終息を宣言した。2022年9月20日から流行していたが、最後の患者が11月30日退院してから42日間(潜伏期間とされる期間の2倍)、患者が発生していなかった。米疾病管理予防センター(CDC)が感染抑止に協力しており、今後もサーベイランス、迅速な感染検知や対応を支援する。
(2023年1月11日)

ニュース:ドイツでイラン人兄弟をテロ計画容疑で逮捕

ドイツのノルトライン=ヴェストファーレン州警察は、イスラム主義を同期とするテロ攻撃の手段としてリシン(有毒なタンパク質)とシアン化物を入手した容疑で、イラン人の兄弟2人(32歳と25歳)をルール地方のカストロプ=ラクセル市で逮捕した。AP通信によると、逮捕につながった情報は米当局が提供した。
(2023年1月10日)

ニュース:ドイツの都市で大晦日に消防車や警察官が襲われる

ドイツの都市における大晦日の花火の使用は、新型コロナウイルス流行のため2年連続禁止され、このほど再び許可された。ところが、消防車や警察官が花火で攻撃され、ベルリンの警察官だけで18人が負傷した。ベルリンだけで38件の襲撃があり、うち14件では偽の通報を受けて出動した消防車が、待ち伏せした人々に花火やビール樽を投げつけられた。初動要員に対する襲撃事件はボン、ドルトムント、エッセン、ハンブルグなどでも発生した。これらの事件は移民の多い地区で起きており、移民の統合に関する論議に火をつけている。
(2023年1月5日)

ニュース:小児の麻疹がオハイオ州で流行

米オハイオ州で小児の麻疹が流行し、すでに82人以上の感染が確認されている。感染者の大半は5歳以下で、11月に最初の感染例が報告されてから32人の小児が入院を余儀なくされた。感染拡大の背景にはワクチン接種率の低下があるとみられる。
(2022年12月30日)

ニュース:カリフォルニア州林野火災予測地図の改訂案

カリフォルニア州森林保護防火局は、州内の林野火災の発生確率を「非常に高い」「高い」「普通」に分類した地図の改訂案を発表した。新しい地図は州内の農山村地域・非法人地域(自治体に属していない地域)の過半数を、「非常に高い」地域に分類している。「非常に高い」地域の面積はほぼ1700万エーカー(約6万8800平方キロメートル)に達しており、地図が前回改訂された2007年と比べて14.6%広がっている。
(2022年12月27日)

ニュース:中国で100万人がコロナで死亡するおそれ―ネイチャー誌

ゼロコロナ政策を撤回した中国では、これから数か月間で100万人が新型コロナウイルス感染症により死亡するおそれがあると、複数の研究者が予測している。ネイチャー誌はその一方で、死者数を減らす方法もあり、中国の人口の大半に4回目のワクチン接種を受けさせたり、マスク着用を義務付けたり、死者が増えた時点で一時的に外出を規制したりすれば有効だとする研究結果も報じている。
(2022年12月20日)

ニュース:包括的で整合性ある対テロ戦略を求める国連安保理議長声明

国連安全保障理事会は、テロリズムの脅威を受ける国が世界各地域で増えており、紛争を悪化させて各国の平和・安定・統治・開発を損なうおそれがあるとして、適切な対策を求める議長声明を採択した。いかなる対策も国際法上の義務に合致しなければならないこと、政府全体・官民合同の取り組みの重要性、寛容と共存を促すことでテロリストの物語に対抗することの必要性を確認した。テロ資金取り締まりによって純粋に人道的な活動を妨げることのないよう、各国に要請した。テロ組織による情報通信技術、仮想通貨など新たな金融商品、無人航空機システムなどの利用拡大に懸念を示し、対抗するため国際協力が必要だと確認した。
(2022年12月15日)

技術研究情報:米国で新型コロナ入院患者数が減少

新型コロナウイルスの流行が始まってから3回目の冬を迎えている米国では、過去2回の冬ほど深刻な健康被害は報告されていない。今冬前にはオミクロン株の組換え体XBB.1.5が流行したものの、 入院患者数と下水中から検出されるウイルスの量という2つの指標からは、新型コロナウイルス感染者数の大幅な増加はみられないという。多くの人がワクチン接種またはウイルス感染により免疫を獲得したことで、中等症・重症になる人が減っているとみられる。
(2023年1月20日)

技術研究情報:断層における地震発生確率モデル―米ノースウェスタン大学

米ノースウェスタン大学の地震学者と統計学者の研究チームは、断層で次の大地震がいつ発生するかを予測する確率モデル「長期断層記憶(long-term fault memory)」を開発した。既存の確率分布モデルには、時間とともに負荷が蓄積しても地震の確率が上がらず、大地震がそれまでの負荷を全部放出するといった非現実的な前提がある。長期断層記憶モデルは、大地震のあとも残る負荷を計算に入れることで、過去の地震の個別のタイミングを取り入れることができるという点で、既存の確率分布モデルよりも包括的で現実的である。研究結果はアメリカ地震学会会報に掲載された。
【関連リンク】
https://pubs.geoscienceworld.org/ssa/bssa/article-abstract/doi/10.1785/0120220083/619558/
(2023年1月19日)

技術研究情報:DARPA、ワクチンの効果の継続性予測モデル開発に着手

米国防高等研究計画局(DARPA)は、ワクチン候補が接種後に有効な免疫を提供する期間の長さを、ワクチン開発の初期段階で予測する評価ツールを開発する「免疫記憶評価(AIM)」事業に着手した。コロンビア大、マウントサイナイ医大、スタンフォード大、メリーランド大ボルチモア校から研究グループ長(PI)を選んだ。米軍は未知の風土病やワクチンのない病原体のある地域にも展開するので、免疫がもっとも長続きするワクチン候補を迅速に選び出す能力は、作戦即応性のため重要だという。現状では、ワクチン候補の免疫が続く期間を知る方法は接種後に観察するしかない。AIMは5年間の事業で、第1相「免疫記憶ロードマップ」、第2相「ロードマップの一般化可能性とツールの検証」からなる。
(2023年1月13日)

技術研究情報:NISTが酵母を用いて生物テロ対策訓練用の基準材料を開発

細菌やウイルスなど病原体を用いた生物テロが発生した場合、初動要員はどのような生物兵器が使用されたのかわからない中で対応しなければならない。米国立標準技術研究所(NIST)は有害な病原体を用いないで初動要員が訓練できるように、生きた酵母を用いた基準材料RM 8230を開発した。酵母は厚い細胞壁があり、DNA抽出が難しいので、病原体を識別する訓練に適している。環境中の酵母により検出結果が偽陽性とならないように、深海の熱水噴出孔に生息する超好熱性のメタン菌メタノカルドコックス・ヤンナスキイの遺伝子を挿入し、この酵母菌株をサッカロミケス・ケレヴィシエNE095と名付けた。材料は凍結乾燥されており、訓練の際は水を加えて環境中の表面に塗ることができる。
(2023年1月4日)

報告書など:GAO報告書「公衆衛生準備体制―潜在的なパンデミック病原体の研究に対する保健福祉省の監視体制には改善の余地がある」

パンデミックの原因を研究するため、病原体を操作して感染と発症のしかたを変える場合があるが、その結果として感染力や重症度が増大すれば、パンデミックの原因となりうる。操作された病原体の研究が提案された場合、審査と安全対策を追加するのが米保健福祉省の方針である。しかし、同省の方針からは、研究提案を実際にどのように審査して承認するのかはっきりしない。GAO(米議会の政府監査院)は、潜在的なパンデミック病原体を創造、移転または使用すると「合理的に予測」される研究の基準を策定することなど三つの改善策を推奨した。保健福祉省は推奨策1件に賛成し、2件には賛否を示さなかった。
【関連リンク】
https://www.gao.gov/products/gao-23-105455
(2023年1月18日発行、42ページ)

報告書など:米国立環境情報センター「2022年の米国の気候に対する評価」

米国海洋大気庁(NOAA)国立環境情報センター(NCEI)が米国の気候に関する年次報告書を発表した。2022年の米国では被害額10億ドル(約1300億円)を超える自然災害が18件発生した。この件数も被害額も、記録が残っている43年間で3番目に高かった。18件の内訳は内陸の暴風雨6件、熱帯低気圧3件(ハリケーン・フィオナ、同イアン、同ニコール)、雹を伴う嵐3件、竜巻2件、西部・中西部の干ばつと熱波、ケンタッキー州やミズーリ州の洪水、西部の林野火災、12月のほぼ全国的な暴風雪と寒波で、合計474人が死亡した。
【関連リンク】
https://www.ncei.noaa.gov/news/national-climate-202212
(2023年1月10日)

報告書など:全米アカデミーズ出版「公衆衛生対策のための下水サーベイランス」

新型コロナウイルスパンデミックは、地域社会における流行の傾向を監視し予測する下水サーベイランスシステムの急拡大を促した。米疾病管理予防センター(CDC)はこうした努力の調整とさらなる構築を促すため、2020年9月に全国下水サーベイランスシステムを発足させた。CDCの要請を受けて、本報告書では現在のパンデミックにおける地域社会レベルの下水サーベイランスの有用性と、他の感染症を抑止・予防するうえでの利用価値を評価した。
【関連リンク】
https://nap.nationalacademies.org/catalog/26767
(2023年1月発行)

報告書など:全米アカデミーズ出版「原野と市街地の接触面における火災の化学」

米国の林野火災は規模・頻度・損害が増大しており、多くの場合、原野と市街地の接触面(WUI)で起きるようになっている。原野だった土地へ市街地が拡大しているからだ。通常の林野火災とは異なり、この接触面の火災は家屋・自動車その他の人工構造物と植生の両方が燃料となり、その相互作用が独特の健康影響を及ぼす。本報告書はWUI火災の直接の被害と健康影響を減らすため役立つ、既知の化学的情報と今後の研究課題を評価する。家屋の部材など重要な燃料について述べ、燃焼生成物の吸入・経口曝露の経路を検討し、燃焼生成物に曝露されやすい地域社会を特定する。
【関連リンク】
https://nap.nationalacademies.org/catalog/26460/
(2022年12月発行)

報告書など:米国土安全保障省(DHS)監察官室「DHSは退職のPIVカードによるアクセス権限や機密取扱資格を必ずしも直ちに取り消していない」

米国土安全保障省は、庁舎など施設に立ち入るために必要な個人認証(PIV)ICカードを職員に配布しており、同省の方針では、退職と同時にカードの権限を停止することになっている。実際には、退職者のカードの権限を直ちに停止しておらず、立ち入り可能な退職者が多いことが、同省監察官室の調査で明らかになった。2018年の調査でもこの問題は取り上げられたのに、改善がみられないことが今回指摘された。
【関連リンク】
https://www.oig.dhs.gov/sites/default/files/assets/2022-12/OIG-23-04-Dec22.pdf
(2022年12月20日公表、30ページ)

報告書など:米国防総省生物化学防護プログラム「医学的対策および検査用製品の研究・開発・取得へのアプローチ」

米国防総省は軍人を新しい生物兵器から守るため、医学的対策の開発のアプローチを更新している。本文書を発行した生物化学防護プログラムは、将来の脅威を予測し、生物化学兵器の使用されている環境で米軍が戦い勝利するための能力、とりわけワクチン、検査用製品、治療薬を含む医学的対策の提供を任務とする。科学技術の進歩と融合により生物兵器の脅威は様変わりしており、備えなければならない脅威の種類が激増している。すでに敵が兵器化したことがわかっている、限られた数の生物化学兵器にひとつずつ対応すればよかった時代は終わった。また、オースティン国防長官は2021年11月、故意に製造された生物兵器だけでなく、天然の生物剤や誤って放出された生物剤にも備えるよう国防総省に指示した。本文書はこの課題に対し、生物剤にさらされた軍人にはまず非特異性の医学的対策を与えて戦い続けさせ、生物剤が特定できたら特効性の医学的対策を迅速に開発して全軍に与えるというアプローチを示している。
【関連リンク】
https://media.defense.gov/2023/Jan/10/2003142624/-1/-1/0/APPROACH-RDA-MCM-TEST-PRODUCTS.PDF
(2022年12月公表)

報告書など:FEMA「全米準備体制報告書」

脅威や災害を防止し、国民社会を防護し、被害を減少させ、対応し、復旧する能力を構築し維持することに向けて、この1年で得られた進歩と残る課題についてまとめた。リスク環境については気候変動に伴う変化、重要インフラのサイバーセキュリティ上のリスク、そして社会的な公平性と脆弱性が事態の深刻さに及ぼす影響を取り上げた。上記の能力は、地域社会を単位とする脅威・ハザード識別およびリスク評価(THIRA)やステークホルダー準備体制評価(SPR)のデータにより評価した。「マネジメントの機会」として、地域社会のパートナーがリスク環境の上記の三つの特徴に備えるためのリソースを提供している。
【関連リンク】
https://www.fema.gov/sites/default/files/documents/fema_2022-npr.pdf
(2022年12月公表、75ページ)