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ニュース:ダニ媒介感染症が米北東部で急増

米疾病管理予防センター(CDC)は、シカダニが原虫を媒介するバベシア症の感染例が、北東部の3州で急増したと発表した。2011年から19年の間にバーモント州では2例から34例、メイン州では9例から138例、ニューハンプシャー州では13例から78例に増え、この3州で新たにエンデミック(地域内で疾患が季節的に繰り返し発生するか感染性が恒常的に存在していること)となった。CDCは、この3州の住民と旅行者に対するシカダニのリスクと予防策の周知が必要だと指摘している。すでにバベシア症がエンデミックだったコネチカット州、マサチューセッツ州、ニュージャージー州、ニューヨーク州、ロードアイランド州でも症例が増えた。
(2023年3月19日)

ニュース:米FDAが新型コロナ治療薬としてパクソロビドを正式承認

米食料医薬品局(FDA)は、新型コロナウイルスに対してファイザー社が開発した抗ウイルス薬のパクソロビドを、重症化リスクの高い成人が軽症または中等症の症状となった場合に使用することを正式に承認した。
(2023年3月17日)

ニュース:リビアで天然ウランが紛失後に発見

国際原子力機関(IAEA)は3月24日、リビアで紛失が報告された天然ウラン精鉱(イエローケーキ)約2.5トンの大半が、紛失現場付近で発見されたと加盟国に通知した。紛失したことは、保管場所としてIAEAに申告されていたリビア南部の倉庫で国際原子力機関(IAEA)の査察官が確認し、IAEAのグロッシ事務局長が3月16日に発表した。リビア東部勢力(リビア国民軍)はこの倉庫の近くで天然ウラン精鉱のドラム缶を発見した。これをIAEAが査察し、紛失した天然ウラン精鉱の大半が見つかったと結論した。
(2023年3月24日)

ニュース:米FDAがオミクロン株対応2価ワクチンを5歳以下に緊急使用承認

米食品医薬品局(FDA)は3月15日、ファイザー社とビオンテック社のオミクロン対応2価ワクチンの、6か月以上の小児に対する緊急使用を承認した。
(2023年3月15日)

ニュース:マラウイでサイクロンにより200人以上が死亡

インド洋からアフリカ南東部に再上陸したサイクロン・フレディにより、マラウイ共和国では商業の中心地ブランタイヤなどで200人以上が死亡した。政府は被害がとくに大きかった南部10県について非常事態を宣言した。マラウイでは1年前からコレラが流行して5万人以上が感染、1500人以上が死亡しており、流行の悪化が懸念される。
(2023年3月14日)

ニュース:米国でヘイトクライムが大幅に増加

FBI (連邦捜査局)は2021年の犯罪統計を22年12月に発表していたが、ヘイトクライム(憎悪犯罪)に関する追加の統計を3月13日に発表した。それによると、米国で報告されたヘイトクライムは2020年の8263件に対し、21年は1万0840件と31%増えた。そのうち1万0500件以上は単一の偏見に基づいており、合計1万2411人の被害者のうち64.5%は人種、民族または祖先の出身国に対する犯人の偏見により狙われた。2022年12月に発表された犯罪統計は、米国の人口の65%にあたる自治体のデータしか反映していなかった。原因は、FBIが自治体警察に全国インシデントベース報告システム(NIBRS)の使用を要求したが、NBIRSへの移行が間に合わなかった自治体警察が多かったからだ。
(2023年3月14日)

ニュース:鳥インフルエンザでペルーのアシカが大量死

鳥インフルエンザに感染したアシカ約3500頭の死亡がペルーで確認された。昨年11月にペルー北部で鳥の感染が確認され、今年1月半ばからアシカの不審死が増え続けているという。ペルーのアシカ約11万頭の3%が死んだことになる。高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)A(H5N1)ウイルスのクレード2.3.4.4bは2020年に東半球で渡り鳥により広がり、2021年後半に北米へ伝わり、さらに中南米へ広がった。HPAI A(H5N1)ウイルスは世界の野鳥と家禽に広がっており、ペルーとチリのアシカ、カナダやフランスのキツネ、スペインのミンクなど哺乳類も感染しているが、今のところ、人への感染のリスクを高めるため必要な変異は起きていない。
(2023年3月6日)

ニュース:「脳食いアメーバ」により住民が死亡―米フロリダ州

米フロリダ州シャーロット郡で、脳食いアメーバと呼ばれるネグレリア・フォーレリに感染した住民1人が死亡したと、同州保健局が発表した。感染経路は調査中だが、鼻腔内を水道水で洗浄したことが原因とみられるという。ネグレリア・フォーレリは温かい淡水の中で生息し、その水が鼻から体内に侵入することで感染する。水道水を飲むことでは感染は起こらないとして、保健局は冷静な対応を呼びかけている。米疾病予防管理センター(CDC)によると、温暖な地域の長い水道管で水が温められ、塩素濃度が低下すると、ネグレリア・フォーレリが生息できるようになる。温暖化が進めば、塩素を加える場所を増やすなどの対策が必要になると考えられる。
(2023年3月4日)

ニュース:薬剤耐性赤痢菌の報告例が米国で増加

米疾病管理予防センター(CDC)は、薬剤耐性赤痢菌の報告例が増えていることについて、臨床医に対するオンライン研修を2月28日におこなった。米国における細菌性赤痢の症例のうち超多剤耐性(XDR)の割合は、2015年から22年の間にゼロから5%に増えた。細菌性赤痢には5種類の抗生物質が用いられており、在来株はその一部に耐性があるのに対し、XDR赤痢菌は5種類全部に耐性がある。CDCによると、XDR赤痢菌感染者の大半は男性間性交渉者、ホームレス、国際旅行者またはHIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染者である。
(2023年2月28日)

ニュース:ハリケーンが立て続けに襲来するおそれが強まる

海面上昇と気候変動により、破壊力の強い大型ハリケーンや熱帯暴風雨が沿岸地域を立て続けに襲う災害が2017年から増えており、今後急増するおそれが強いと指摘する、プリンストン大学の研究者3名の論文がネイチャー・クライメート・チェンジ誌に掲載された。この傾向は米国の東海岸とメキシコ湾岸ですでに始まっており、メキシコ湾岸では15日以内に連続して破壊的な熱帯低気圧が襲来する災害が、3年に1回ほどの頻度で起こりうるという。
(2023年2月27日)

ニュース:米FDAがインフルエンザ2種と新型コロナの同時検査キットを緊急使用承認

米食品医薬品局(FDA)が2月24日に緊急使用承認した検査キットは、インフルエンザウイルスのA型およびB型並びに新型コロナウイルスへの感染を区別することができる。処方箋なしで買い、自宅で検査することができる。商品名はLucira COVID-19およびインフルエンザ家庭用検査キット。検査したい人が自分の鼻腔からサンプルを採取し、30分以内に検査結果を得て、使い捨てる。
(2023年2月24日)

技術研究情報:食料安全保障の脅威予測

農作物の病害の広がりをリアルタイムで追跡し、感染拡大を予測し、感染抑止策の費用対効果を予測する目的で、感染拡大に影響する数々の要因を取り入れる「疫学的ツールキット」を作り、食料安全保障に役立てようという研究が、英ケンブリッジ大学を中心におこなわれている。作物の種類や分布、環境および気候変動、病原体の増殖と拡散、農業者による病害対策といった要因から数理モデルを構成する。ある閾値以下に有病率を抑えることで、病害徐々に終息させることが狙いだという。
【関連リンク】
https://www.cam.ac.uk/stories/predicting-threats-to-food-security
(2023年3月18日)

技術研究情報:自然爆発しない爆薬

保管中の爆発物の爆発事故を防ぐため、米エネルギー省ロスアラモス国立研究所の科学者チームは、水などの不活性液体を注入しなければ爆発しない、スイッチ可能な爆薬を開発した。研究結果はフィジカル・レビュー・レターズ誌に掲載された。保管中や運搬中の爆薬が高温や摩擦を受けて爆発するおそれがなくなる。また、注入する液体の性質を変えることで、爆発システムの性能を変えることができる。
(2023年3月18日)

技術研究情報:月と火星の土をコンクリートにできる結合剤

英マンチェスター大学の研究チームは、月と火星の土を模した土砂に新しい結合剤を混ぜて強度と信頼性の高い建築用コンクリートとした新素材「スタークリート」を開発した。火星の土を模した素材にじゃがいものでんぷん、尿素、酢酸などを混ぜた。スタークリートの圧縮強度は高強度コンクリート程度、曲げ強度は通常のコンクリート程度だという。地球外で入手しやすい物質と省エネルギーで建築材料を生産することにより、地球外インフラの建設費を圧縮するための研究が続けられている。
【関連リンク】
https://www.degruyter.com/document/doi/10.1515/eng-2022-0390/html
(2023年3月18日)

技術研究情報:干ばつと洪水の悪化は地球温暖化の影響

ネイチャー誌が掲載したNASA(米航空宇宙局)の研究によると、近年の干ばつと洪水の激甚化はエルニーニョ現象のような気象指標よりも地球の平均気温と強く相関しているという。2002年から2021年までのNASAの地球観測衛星のデータを分析したところ、水害505件、干ばつ551件が観測され、その2割が半年から1年、1割が1年以上続いたことが確認された。2015年以降に干ばつと洪水が激甚化し頻繫化した年は、平均気温上昇が観測された年と一致するという。
【関連リンク】
https://www.nature.com/articles/s44221-023-00040-5
(2023年3月13日)

技術研究情報:米国土安全保障省が洪水分析技術の開発を発注

米国土安全保障省科学技術局は洪水分析技術の開発を、ニューヨークのFloodbase社と豪州のFloodMapp社に、それぞれほぼ20万ドルで発注した。FEMA(連邦危機管理庁)の災害準備体制と対応の向上に役立てる。同局は洪水被害に際して必要なリソースの配分を加速するため、リアルタイムの洪水データと分析を提供できる新システムを求めている。両社は民間企業として初めて、洪水分析技術の開発を国土安全保障省から受注した。
(2023年3月7日)

報告書など:全米アカデミーズ「COVID-19からより強く立ち上がる―医療システム変革の優先事項」

米国の医療システムは過去数十年来、市民個人の健康と公衆衛生を支援し改善する潜在力をほとんど発揮してこなかった。新型コロナウイルス・パンデミックは死と破壊だけでなく、米国の健康・公衆衛生や医療提供システムを変革する未曾有の機会をもたらした。全米医学アカデミーは医療システムの主な部門の現場指導者を集め、各部門のパンデミック対応を評価し、医療システム変革の機会を検討した。今やパンデミックの教訓に基づいて、次のような医療システムを構築する機会がある。患者・家族・地域社会を主役に位置付けること。医療提供システム、公衆衛生、生物医学研究が力を最大限まで出せるように支援すること。デジタル医療と品質・安全・標準団体のイノベーションを応用すること。医療保険者と医療製品製造者・革新者がすべての人のためになる製品・サービスを開発するよう促すこと。
【関連リンク】
https://nap.nationalacademies.org/catalog/26657/
(2023年3月発行)

報告書など:GAO報告書「災害支援―災害回復力・対応・復旧を改善する取り組みが必要」

ハリケーン、洪水、林野火災、地震などで被災した地域社会がインフラを復旧し、将来の災害に対する回復力を高めることができるように、米政府は何十億ドルもの支援金を支出している。災害支援金の支出には効率化の余地がある。災害回復力への投資によって将来の災害支援金の需要を減らせば、国の財政負担を減らすことができるので、FEMA(連邦危機管理庁)は助成の申請手続きを簡素化すべきだ。被災者・世帯への支援金については、FEMAは応募用件の周知方法を改善し、住宅の損害の算定方法を検証すべきだ。住宅都市開発省は、包括的補助金の住民への支出が遅れないよう、州や準州にデータの収集・分析を義務付けるべきだ。災害復旧には30以上の連邦政府機関が関わり、支援金を申請する住民にとって複雑になっているので、議会は改革を勧告する独立委員会の設置を検討すべきだ。GAO(米議会の政府監査院)のこうした推奨策が数十本、実施されずに残っている。
【関連リンク】
https://www.gao.gov/products/gao-23-106544
(2023年3月15日公表)

報告書など:GAO報告書「林野火災の煙―増大するリスクを管理する米政府の取り組みを強化する余地がある」

頻繫化する大規模な林野火災の煙は大気を汚染し、米国の数千万人の健康を損なっている。環境保護庁(EPA)は他の連邦政府省庁と協力して地域社会の煙対策を支援しており、農務省森林局は空気質、林野火災の場所、煙の方向を示すオンライン地図を作製した。しかし、環境保護庁の取り組みには専門のプログラムや予算がなく、複数のプログラムや地域事務所に分散して場当たり的におこなわれており、資源の配分の調整を改善する余地がある。また、煙を減らすための火入れなど土地管理手段の利用が、環境保護庁と土地管理機関の任務や目的の違いにより妨げられている場合は、省庁間調整を改善する余地がある。
【関連リンク】
https://www.gao.gov/products/gao-23-104723
(2023年3月13日公表、90ページ)

報告書など:GAO報告書「バイオディフェンス―長年の課題に対処する行動が必要」

2018年に発表された全米バイオディフェンス戦略は、生物兵器が関わる事態に対し米政府がおこなうべき準備と対応の概略を示している。新型コロナウイルス・パンデミックは米政府の対応の欠点を暴露した。米政府のバイオディフェンスの課題と改善の余地を指摘した、2015年以後のGAO報告書を紹介する。その対象は全米バイオディフェンス戦略の全体的な目的と機能、準備活動の強化、生物兵器使用の早期探知などの技術、健康・疾病に対する国土安全保障省によるバイオサーベイランスの4分野である。
【関連リンク】
https://www.gao.gov/products/gao-23-106476
(2023年3月9日発表、2ページ)

報告書など:「マンチェスターアリーナ調査報告 第3部 過激化と防止可能性」

2017年5月22日に英国マンチェスターのコンサート会場に男が持ち込んだ爆発物により23人が死亡(実行犯1人を含む)、59人が負傷した自爆テロ事件について内務大臣が独立委員会に委任した調査のうち、実行犯の過激化、テロの計画と準備、テロを防止できた可能性の有無に関する報告書。保安局(MI5)はテロを防止する大きな機会を逃した。保安局は、マンチェスター出身の実行犯に関する最初の情報を2010年12月に得ており、実行犯がリビア内戦に参加した後、15年からは参考人として情報を収集していた。事件前の数か月間に二つの情報を入手したものの、その重要性を認識することができず、マンチェスターを管轄する対テロリズム警察と共有しなかった。共有していればテロを防止できたとは結論できないものの、テロを防止する行動につながる情報を入手できた可能性があった。この第3部で報告書は完結した。
【関連リンク】
https://manchesterarenainquiry.org.uk/report-volume-three
(2023年3月2日公表、226ページ)

報告書など:「全米サイバーセキュリティ戦略」

本戦略は、防衛しやすく、回復力が高く、米国の価値観と一致するデジタルエコシステムの形成を目的として、現在のサイバーセキュリティ上の脅威に対処し、今後起こりうる脅威から重要インフラを守ることを目的とする。そのため、サイバーセキュリティの負担を個人・小企業・自治体から、より能力のある組織へ移し、長期的な投資を促す。連邦政府省庁、州・自治体、民間の協力体制を構築し向上させるための5本柱を指定している。重要インフラ防護、攻撃主体の阻止・解体、市場を通じたセキュリティと回復力の促進、セキュリティと回復力を高めるイノベーションへの投資、国際協力体制である。
【関連リンク】
https://www.whitehouse.gov/wp-content/uploads/2023/03/National-Cybersecurity-Strategy-2023.pdf
(2023年3月公表、39ページ)

報告書など:GAO報告書「国内テロリズム―脅威に立ち向かうためFBIと国土安全保障省の協力の強化が必要」

米国内のテロリズム未決事件は2013年の1981件に対し、21年には9049件と357%増えた。FBI(連邦捜査局)と国家安全保障省は協力して国内テロを防ぐ責任を負っている。両機関は現行の合意を改定し、刻々と変化する国内テロの脅威に対しどのように協力するのか規定すべきだ。また、協力体制の有効性を定期的に評価するしくみも必要だ。
【関連リンク】
https://www.gao.gov/products/gao-23-104720
(2023年2月28日公表、96ページ)

報告書など:GAO報告書「議事堂襲撃事件―米政府機関は攻撃の兆候を察知していたが、事前に情報を完全に処理し共有することができなかった」

2021年1月6日の米議会議事堂襲撃事件に先立ち、連邦政府省庁は独自の調査、公開情報、ソーシャルメディアなどさまざまな情報源から、潜在的な脅威の情報を入手していた。GAO(米議会の政府監査院)が調査した10機関はどれも、暴力行為の脅威を認識しており、FBI(連邦捜査局)と議事堂警察は信頼性の高い脅威を割り出していた。しかし、FBIと国家安全保障省情報分析局(DHS I&A)は、必ずしも機関の方針や手順に従って脅威情報を処理しなかった。DHS I&Aと議事堂警察・合衆国公園警察は、処理済みの脅威情報を、共有すべき各機関内外の警備担当者と、必ずしも共有しなかった。GAOは5機関に対し、情報の処理・共有に関する内部統制などに関する推奨策を提案し、各機関は賛成した。
【関連リンク】
https://www.gao.gov/products/gao-23-106625
(2023年2月28日公表、122ページ)