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7月分


ニュース:猛暑のイランで水不足

イランでは危険な高温に加えて水不足が続いている。7月上旬には砂塵嵐が南東部を襲い、1000人以上が病院で治療を受けた。イラン指導部は、ヘルマンド川の流れを堰き止めているとして隣国アフガニスタンのタリバン政権を非難し、テヘラン周辺のダムの利用が洪水や落石によって妨げられていることを、度重なる断水の原因に挙げている。しかし、民衆の不満が高まり、各地で抗議運動や政府側との衝突が起きている。
(2023年7月18日)

ニュース:史上最高気温を更新

世界中で異常な熱波が続いている。7月第1週には中国で51度、米カリフォルニア州デスバレーで52度と史上最高気温を記録した。熱指数が54度を超えるとただちに熱中症になりうるとされるが、イランのペルシア湾空港は熱指数66.7度を記録した。米国も南西部や南部で1週間以上にわたって異常な高温が続いている。気温が高いと林野火災が発生しやすい。カナダのほかスペインやギリシャなど南欧でも林野火災が相次いでいる。
(2023年7月18日)

ニュース:カナダの林野火災、米国への影響が続く

カナダでは今なお400以上の林野火災が発生しており、煙は米国北部へ流れて深刻な大気汚染を引き起こしている。モンタナ、バーモントなど12以上の州で大気汚染警報が発表され、シカゴ、デトロイト、ニューヨーク、セントルイス、クリーブランド各市など約7000万人の住む地域で大気汚染と視界不良が報告されている。カナダは軍を出動させて鎮火に努めている。
(2023年7月17日)

ニュース:ホワイトハウスが全米サイバーセキュリティ戦略の実施計画を公表

米大統領府は今年3月に公表した「全米サイバーセキュリティ戦略」について、実施計画を7月13日に発表した。実施計画には、全米サイバーセキュリティ戦略の基幹的な方針転換の導入を円滑に進めることを念頭に作成された65の「高インパクト」な連邦政府イニチアチブが含まれ、実施に責任を負う省庁とその期限も明記されている。
【関連リンク】
https://www.whitehouse.gov/wp-content/uploads/2023/07/National-Cybersecurity-Strategy-Implementation-Plan-WH.gov_.pdf
(2023年7月14日)

ニュース:昨夏の暑さによる欧州の死者は6万人超

2022年夏の欧州では暑さにより約6万2000人が死亡したことが、最新の研究結果でわかった。死者はイタリアでもっとも多く1万8000人、続いてスペインの1万1000人、ドイツの8000人で、高齢者と女性が多い。欧州では2003年の熱波で7万人以上が死亡し、その後対策もとられたが、冷房のない家庭も多いので、暑さによる死者が米国などと比べて高い傾向がある。
(2023年7月14日)

ニュース:FEMAの災害支援金が枯渇するおそれ

米国のハリケーンや林野火災の季節を前に、FEMA(連邦危機管理庁)の災害支援金が8月にも枯渇するおそれがあることを、クリスウェルFEMA長官が7月13日に米議会で証言した。資金が尽きた場合の選択肢をバイデン政権と模索している最中だという。9月末までの会計年度内に資金が枯渇しそうになり、議会がなんらかの補填を議決しない場合、FEMAは長期的復興のための支出を延期して、当面の災害対応に付け替える。
(2023年7月13日)

ニュース:カナダ政府が緊急事態準備のための追加支援を決定

カナダ政府は、気候変動災害に対応する人道支援団体を財政的に支援するための基金に、今後3年間で8200万ドル(88億円)を追加する。ブレア緊急事態準備相が7月11日発表した。基金は新型コロナウイルス・パンデミックに対応するNGOを支援するため設立されたが、今回追加する資金は、カナダ赤十字、救世軍、捜索救助ボランティア協会などが人員を募集・訓練し、物資を調達し、活動するために使われる。カナダ赤十字はかつて災害支援を主として外国でおこなっていたが、カナダの自然災害の増加に伴い、最近は主に国内の洪水や林野火災の被災者を支援している。
(2023年7月11日)

ニュース:熱波に災害指定を―FEMAに要望の声高まる

2022年には熱波によって1700人の米国民が死亡しており、ハリケーンや洪水による死者数よりも多い。しかし、熱波が大統領による大規模災害宣言を受けて被災地が米政府の支援を受けた例はまだない。6月29日付ワシントン・ポスト紙がこの点を指摘し、熱波を大規模災害として認定することを求める声が米国内で高まっていることを紹介している。2022年には熱波の被害に際して、大統領に対し災害宣言指定の要求が3件出されたが、いずれも却下されたという。大統領による大規模災害宣言は、自然災害の被害が州政府の対応能力と資源を超過した場合に限られるので、他の自然災害よりも安価に対応が可能な熱波は宣言を受けることが難しい。ただし、熱波が頻繫化するにつれて宣言の基準を見直す声がさらに高まることも予測される。
(2023年6月29日)

ニュース:米国内におけるマラリア感染を確認

米国内におけるマラリア感染はまれだが、フロリダ州とテキサス州で感染例がこのほど確認された。過去2か月間にフロリダ州サラソータ郡で4例、テキサス州キャメロン郡で1例が報告された。患者は全員が治療を受け回復に向かっている。米国内で前回確認された感染は、2003年のフロリダ州パームビーチ郡の8例。疾病管理予防センター(CDC)は、米国内で感染するリスクはいまだ低いとしながらも、医師に対しては、マラリア流行地への旅行歴のない患者であっても、発熱の原因が不明ならマラリアの診断も検討するよう勧めている。
(2023年6月26日)

ニュース:ペルーでギラン・バレー症候群の症例が急増

ペルー各地におけるギラン・バレー症候群の増加に伴い、ペルー疾病管理予防疫学センター(CDCペルー)は6月26日、感染症警報を出した。1月1日から7月8日までの間に191件の症例が報告され、うち77件が検査により確認され、4人の死亡が確認された。感染件数の報告がもっとも多かったのはリマ県の50件、続いてラ・リベルタ県32件、ランバイエケ県20件などとなっている。死亡が確認されたのは1月に1件、3月に1件、5月に2件。感染者のほぼ6割は男性で、平均年齢は41歳である。例年には毎月の感染者数は20件に満たないが、今年は7月8日までの4週間で96件に達した。ギラン・バレー症候群じたいは感染症ではないが、症例の3分の2では発症の数週間前にカンピロバクターなどの細菌やサイトメガロウイルスやEBウイルスなどのウイルスに感染し、自己免疫疾患をきたすことで神経が障害される。ペルーでは2019年にも同症候群が急に増えており、ジカウイルスやエンテロウイルスの関与が疑われている。
(2023年6月26日)

ニュース:西アフリカがテロリズムの主戦場に

2022年の世界のテロによる死者の半数は、サハラ以南のアフリカで殺害された。国連がテロ対策専門家を招いて開催したパネルディスカッションで明らかになった。キアリ国連事務次長補によると、アルカイダやIS(いわゆる「イスラム国」)傘下の組織は引き続き世界各地で活発に活動しているものの、アフリカ大陸で活動するテロ組織の数が大幅に増えており、アフリカがテロリズムの主戦場となっているという。IS国傘下の組織は、不安定化が続くサヘル地域で権力の掌握を試みており、テロ対策が手薄なブルキナファソ、マリ、ニジェール3か国の国境地帯もテロの温床となっているという。
(2023年6月23日)

技術研究情報:新型コロナウイルス感染症の発症を防ぐ遺伝子

新型コロナウイルスに感染しても無症状だった人は、キラーT細胞を助ける遺伝子を保有する確率が平均の2倍以上あることが判明した。HLA-B*15:01というヒト白血球抗原(HLA)で、ウイルス感染を妨げはしないものの発症を防ぐという。人はHLA遺伝子を両親からひとつずつ受け継いでいる。HLA-B*15:01を少なくともひとつ保有していた人は、カリフォルニア大学サンフランシスコ校などの研究者が調べた人の約10%、そのうち新型コロナウイルスに感染しても無症状だった人の20%、発症した人の9%だったという。論文はネイチャー誌に掲載された。
【関連リンク】
https://www.nature.com/articles/s41586-023-06331-x
(2023年7月19日)

技術研究情報:レーダー画像による林野火災・鉄砲水対策

雲や煙を透過し、昼も夜も画像を撮影できる干渉合成開口レーダー(InSAR)を用いて、亜寒帯など遠隔地の林野火災を監視する試みがおこなわれている。鉄砲水は火災により地表が露出した場所で発生しやすいので、セントルイス・ワシントン大学の研究者は、林野火災跡地の鉄砲水に対する警戒システムを改善する方法を研究している。火災の場所と程度を知る方法はこれまで実地調査と可視光衛星画像しかなかったが、遠隔地の火災の実地調査は難しいし、可視光画像の撮影は雲や煙に遮られるうえに、頻繁に撮影できない。レーダー画像を用いると、火災跡地の撮影にかかる時間を節約できる。国立海洋大気庁の研究費を受けており、まず鉄砲水のリスクが生じた米国西部の火災跡地について、レーダー画像を合成して火災の程度を表す地図を毎日試作する。
【関連リンク】
https://source.wustl.edu/2023/06/radar-can-help-fight-wildfires-identify-flash-flood-risks/
(2023年7月11日)

技術研究情報:無線カメラネットワークを用いる防災ツールALERTCalifornia

カリフォルニア大学サンディエゴ校は、林野火災など自然災害に備え、対応し、復旧するための協同的な公共安全ツールALERTCaliforniaを稼働させた。上下左右に向けてズームイン・ズームアウトすることができるカメラ1000台以上とセンサーでデータを収集し、行動に役立つリアルタイムの情報として公衆の安全のため利用する。科学者は、気候変動により頻繫化・激甚化している林野火災、洪水、大気の川、地滑りなどの研究にデータを利用する。カリフォルニアの大気質、水質、土質、人の健康に対する自然災害の長期的影響をよりよく理解するため、高度なデータ収集・処理をおこなっている。
【関連リンク】
https://cameras.alertcalifornia.org/?pos=37.2382_-119.0000_6
(2023年7月8日)

技術研究情報:ドローンの耐熱化・耐寒化

火災現場の高温や極地の低温に耐えて飛行できるドローン(無人航空機)は少ない。重要な部品を耐熱・耐寒システムで保護すると機体が重くなり、もともと限られるペイロードがさらに減るからだ。スイス連邦材料試験研究所は、断熱材と相転移式冷却システムを用いた試作機「ファイア・ドローン」を開発し、飛行試験をおこなった。構造材の一部に、耐熱性・耐寒性の高いポリイミド・エアロゲルを採用した。ガラス繊維をシリカ・エアロゲルで補強することで、高温による収縮と細孔構造の劣化を軽減し、エアロゲルの主な特性を保全した。ファイア・ドローンのような耐熱・耐寒ドローンは、産業や研究の多数の用途で無人航空機の潜在能力を引き出すことを期待できる。
【関連リンク】
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/aisy.202300101
(2023年6月26日)

技術研究情報:電力網の予備電源としての鉄道上の電池

エネルギー省ローレンス・バークレー国立研究所は、夏場や災害時の電力不足に際して利用できる、柔軟で費用対効果のよい予備電源として、鉄道貨車に積んで移動する電池の利用を研究している。同研究所のチームは、コンテナ化した電池を鉄道移動式エネルギー貯蔵装置として米国の地域間で共有することにより、電力需要のピークに対応し、送電線の混雑を和らげ、電力網の回復力を高める可能性を検証した。鉄道移動式エネルギー貯蔵は、低頻度だが影響の大きい事態への対応に有効で、送電線増設と固定式電池のどちらよりもキロワット年あたりの費用が安いという。論文はNature Energy誌に掲載された。
【関連リンク】
https://www.nature.com/articles/s41560-023-01276-x
(2023年6月)

報告書など:全米アカデミーズ「ソーシャルメディアのデータを緊急事態の準備と対応に活用する」

米国の大部分の州の運輸局は、交通に関する緊急事態の監視や告知にソーシャルメディアを活用しているが、ソーシャルメディアから得られるデータを最大の情報源としている州は少ない。緊急時にソーシャルメディアを活用するうえで、人手不足、人員の訓練、プライバシー問題、データの信頼性などが障壁となっている。
【関連リンク】
https://nap.nationalacademies.org/catalog/27151/
(2023年7月発行)

報告書など:全米アカデミーズ「公衆衛生緊急事態準備体制のための今後の計画 新型コロナウイルス感染症パンデミックから得た教訓」

公衆衛生緊急事態の準備体制と計画は今世紀に盛んになり、計画や演習が策定された。しかし、2020年前半に新型コロナウイルス感染症が流行すると、米国の対応は他国と比べて欠陥が多かった。米国の公衆衛生準備体制を検証するため、全米アカデミーズの「災害・緊急事態に対する医療および公衆衛生の準備体制に関するフォーラム」は政府、NGO、民間企業から参加者を招いてワークショップを2022年5月に開催した。これまでの体制の主な要素、成功談、障害点を検討し、災害やパンデミックによる大規模な公衆衛生緊急事態の計画を、より効果的に国・州・自治体の各レベルでおこなうための改善点を探った。
【関連リンク】
https://nap.nationalacademies.org/catalog/26805/
(2023年7月発行)

報告書など:全米アカデミーズ「米国の医療緊急事態対応における公衆衛生研究所システムの将来」

全米アカデミーズの「災害・緊急事態に対する医療および公衆衛生の準備体制に関するフォーラム」は、過去・現在・未来の医療緊急事態(新型コロナウイルス感染症、サル痘、化学・放射能・核爆発の脅威)における米国の公衆衛生研究所の対応を検討するワークショップを、2023年3月23-24日に開催した。今後の公衆衛生研究所の能力、規模、全国的医療緊急事態に対する官民の組織による対応の調整、あるべき全国的な公衆衛生研究所の体制などを議論した。
【関連リンク】
https://nap.nationalacademies.org/catalog/27147/
(2023年7月発行)

報告書など:GAO報告書「放射性廃棄物の除去―エネルギー省はロスアラモスにおける事業と請負業者管理の弱点に対処する必要がある」

エネルギー省のロスアラモス環境管理現地事務所は、汚染された土壌や地下水を除染したり、放射性廃棄物や有害廃棄物を敷地外の廃棄場に移送したりする役割を担っている。同事務所は最近、作業の費用見積りを含む事業管理文書の草稿を提出したが、現地の除染・除去作業を優先するための包括的アプローチをとっていない。例えば、除染・除去の目的を達成するための複数の選択肢を文書化していないので、作業の優先順位が最適なのかわからない。
【関連リンク】
https://www.gao.gov/products/gao-23-105665
(2023年7月19日、50ページ)

報告書など:GAO報告書「緊急支援事業における不適切な支払を管理するための枠組み」

新型コロナウイルス感染症やハリケーンなど緊急事態ではとくにありがちだが、米政府の支援事業で不適切な支払がなされたり、詐取されたりすることが少なくない。各省庁がリスクをよりよく管理し、不適切な支払や詐取を未然に防ぐ方法を、緊急支援における具体的なリスクの例とともに解説する。
【関連リンク】
https://www.gao.gov/products/gao-23-105876
(2023年7月13日、47ページ)

報告書など:GAO報告書「COVID-19―今後の公衆衛生緊急事態に連邦政府省庁が備えるにあたりGAOの勧告は役立つ」

感染症などにより今後起こりうる公衆衛生緊急事態に米国が備えるにあたって、準備体制、連邦政府の支援の配分など主な分野におけるGAO(米議会の政府監査院)の推奨事項を要約し、新型コロナウイルス感染症関連支出の最新データを掲載している。2023年4月までに、GAOは26省庁に386件の勧告をおこない、各省庁はその47%を部分的または全面的に実施した。米議会には19件の提言をおこない、2件が全面的に実施された。
【関連リンク】
https://www.gao.gov/products/gao-23-106554
(2023年7月11日発行、38ページ)

報告書など:FEMA「気候変動に応じた対応・復旧計画の手引き」

気候変動による災害リスクの増大を対応・復旧計画に反映させる方法を、FEMA(米連邦危機管理庁)が主として内部の防災・危機管理担当者向けに記した手引き。国立海洋大気庁(NOAA)と共同で策定した。自然災害が大規模化・頻繫化する中、対応・復旧の需要の予測と活動の計画を支援することが目的。気候変動を概観し、観測されている現象について気候評価の知見を示し、FEMAの脅威・ハザード分析を気候変動の傾向と予測に基づいて拡張する方法を提示し、FEMAの対応・復旧活動の計画における気候変動関連の検討事項を示す。
【関連リンク】
https://www.fema.gov/sites/default/files/documents/fema_response-recovery_climate-change-planning-guidance_20230630.pdf
(2023年7月発行、59ページ)

報告書など:GAO報告書「サイバーセキュリティ―全米サイバーセキュリティ戦略の導入開始」

全米サイバーセキュリティ戦略の目的と戦略目標は、基礎としてはよいのだが、米政府は具体的な目標、達成度の基準、必要な資源、役割と職責を定める必要がある。具体的に詳細を示さなければ、戦略の導入は難しい。全米サイバー長官職の空席が続いていることも課題だ。
【関連リンク】
https://www.gao.gov/products/gao-23-106826
(2023年6月29日、2ページ)

報告書など:GAO報告書「テロ対策―情報共有促進の環境を醸成するためのさらなる措置が必要」

米政府は、テロ関連情報を情報機関など官民のパートナーと共有する方法を改善する事業を実施している。しかし、2017年からおこなわれているこれらの事業の進捗を審査するプログラムマネージャーがいないので、米政府の情報共有戦略に記された優先目標を事業が満たしているのか明らかでない。GAOはプログラムマネージャーの欠員を補充し、事業の進捗を評価することを推奨する。
関連リンク】
https://www.gao.gov/products/gao-23-105310
(2023年6月26日発行、43ページ)

報告書など:GAO報告書「優先すべき未実施の推奨事項―国土安全保障省」

GAO(米議会の政府監査院)が国土安全保障省に推奨したものの実施されていない推奨策42件の要点を述べる。内容は緊急事態への備え、国境警備・運輸保安、インフラ、サイバーセキュリティおよびIT、化学保安、暴力的過激主義対策、国内情報収集・共有にわたる。国土安全保障省は、GAOが昨年示した優先事項のうち14件を実施した。
【関連リンク】
https://www.gao.gov/products/gao-23-106483
(2023年6月23日発行、34ページ)