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9月分


ニュース:重要インフラに対するサイバーインシデント報告の効率化

米国土安全保障省は、国内の重要インフラ防護を強化するためサイバーインシデントの報告を米政府が合理化し調整する方法について、具体的な行動計画を含む推奨案を公表した。重要インフラ運営者の負担を減らし、悪意あるサイバーインシデントの傾向を米政府がよりよく把握することを可能とし、関係機関が攻撃を防止・対応・復旧することを助けるための一歩となる。重要な推奨策として、米政府が使用するサイバーインシデント報告書の雛形を作成したり、サイバーインシデント報告用ウェブポータルの統一を検討することを含めて情報の報告・共有を合理化したりすることが含まれている。
(2023年9月19日)

ニュース:リビアのダムが決壊し死者・行方不明者1万人超、混乱続く

地中海ハリケーン・ダニエルがリビア北東部に10日から降らせた大雨の影響で2基のダムが決壊し、約3000万トンの水がワジ(涸れ川)に流れ込み、港湾都市デルナの一部を破壊した。国連人道問題調整事務所(OCHA)の報告によれば3958人以上が死亡、9000人が行方不明となっている(直前の報告では死者1万1300人だった)。わずか1日で年間降水量を上回る雨が降った。その大半は極度に乾燥しアスファルトのように固まった地面に吸収されることなく、ダムに流れ込んで決壊させた。リビアは2014年から2020年にかけての内戦で多くのインフラが損傷した。その後3年、東西2つの対立する政権によって国が分断されていることは、洪水被災地への支援活動を妨げている。ダム2基は1998年からひび割れが報告されていたが、デルナ副市長によると2002年以後は補修されておらず、そもそも3000万トンもの水を貯めるように建設されていなかった。
(2023年9月17日)

ニュース:国際・国内テロのリスクが高いと米国土安全保障省が警告

米国土安全保障省は公衆の安全、国境・移民、重要インフラ、経済安全保障への脅威を記述した『2024年の国土脅威評価』を公開した。米国内外のテロリストによる攻撃のリスクは来年も引き続き高いと警告した。米国内の暴力的過激主義者および外国のテロ組織に共鳴するホームグロウン暴力的過激主義者は、陰謀論、個人的な恨み、ネット上で共有される昔からの民族的・宗教的・反政府イデオロギーの組み合わせに刺激されているという。また、アルカイダやIS(いわゆる「イスラム国」)といった外国のテロ組織は各組織の再建を目的として、米国でテロを実行する能力のある支援者ネットワークを世界各地で維持している。米国内の攻撃目標としては警察、行政機関、宗教団体、小売店・ショッピングセンター、民族的・宗教的少数派、医療・運輸・エネルギーのインフラを挙げている。重要インフラに対しては、ロシア・中国・イランなど敵対者がサイバー・物理の両面から機密情報に不正アクセスして盗み取っているという。なかでも中国は海上ロジスティクス能力が増大し、中国製商用ロジスティクス技術が普及しているので、港湾に対してスパイ活動をおこなったり操業を混乱させる能力を獲得したりするリスクが高まっているという。
【関連リンク】
https://www.dhs.gov/publication/homeland-threat-assessment
(2023年9月15日)

ニュース:史上もっとも暑い8月に

今年8月の地球の地表と海面の平均気温は、20世紀の平均(15.6度)を1.25度上回り、米海洋大気庁による過去174年間の観測史上もっとも暑い夏8月となった。アジア、アフリカ、南北アメリカの4大陸および北極圏では観測史上もっとも暑い8月、ヨーロッパとオセアニアでは2番目に暑い8月だった。海面の温度は平年の8月より1.03度暖かく、観測史上最高だった。今年6-8月は北半球の気象学上の夏としても、南半球の気象学上の冬としても、観測史上もっとも温暖だった。
(2023年9月15日)

ニュース:インドでニパウイルスの感染拡大

インドのケララ州でニパウイルスの感染が拡大している。これまでに2人が死亡し、今も3人が入院している。5人目の陽性診断後、コーリコード(カリカット)県では700人以上を検査し、学校を閉鎖し、一部の村への出入りを制限している。感染者と接触した950人のうち213人が高リスクと認定された。ニパウイルス感染症の主な症状は脳炎と呼吸困難で、感染者の45-70%が死亡する。ワクチンも治療薬もない。ケララ州におけるニパウイルスの流行は2018年(死者17人)、19年(陽性者1人)、21年(死者1人)に続いて4回目。現地の報道によると、ケララ州で流行中のバングラデシュ株は、ニパウイルスの他の株と比べて致死率が高い一方で、伝染性は低いという。
(2023年9月15日)

ニュース:モロッコでM6.8の地震、死者

アフリカ大陸北西部のアトラス山脈で9月8日深夜にマグニチュード6.8の地震が発生した。モロッコ内務省の発表によると11日時点で死者は2900人を超えた。日干しレンガでできた耐震性のない建物が多く立ち並ぶ地域も被災しており、被害が大きくなったと考えられる。米地質調査所(USGS)によると、この地域で過去120年ほどの間に発生した地震としては最大だという。震源が約18.5キロと浅い、内陸地殻内地震である。
(2023年9月11日)

ニュース:米テキサス州の暑さで水道管が損傷

観測史上もっとも暑い夏を記録した、米テキサス州のサンアントニオ市、オースティン市、ラレド市などでは地中の水道管が破損し、深刻な干ばつが続く中、貴重な水が大量に失われる事態となっている。熱波と干ばつにより土壌が乾いて収縮したことで水道管がずれて、多数のつなぎ目が破断し、水が漏れた。重要インフラが温暖化に脆弱で、適応の費用が高いことを示している。
(2023年9月8日)

ニュース:大型ハリケーンが米フロリダ州に上陸

8月30日早朝、ハリケーン・イダリアがメキシコ湾から米フロリダ州北部のビッグベンド地域に上陸した。風速55.8メートル(カテゴリー3)は、この地域に上陸したハリケーンとしては過去125年で最大だった。上陸後、熱帯性暴風雨に勢力を弱めてジョージア州南部、サウスカロライナ州、ノースカロライナ州を通過し、大西洋へ出た。イダリアが通過した各地は洪水や高潮の被害が相次ぎ、停電戸数は30日夜までにフロリダ州で22万5000戸以上、ジョージア州では23万戸に達した。イダリアによる被害は10億ドル(1460億円)を超えると見込まれる。今年の米国における被害額10億ドル以上の災害は23件目となった。
(2023年8月30日)

研究開発情報:正確で素早い洪水予測シミュレーションモデル

豪メルボルン大学情報工学科の研究者が、現在進行中の洪水の影響をより迅速かつ正確に予測するシミュレーションモデルを開発した。この「低忠実度空間分析ガウス過程学習(LSG)モデルは、既存のもっとも先進的なシミュレーションモデルと同等に正確な予測を1000倍速く算出する。複雑で違いの大きい豪州の二つの水系の洪水を予測させたところ、南オーストラリア州のチョウィラ氾濫原については既存のモデルで11時間かかっていた予測を33秒、クイーンズランド州のバーネット川については36時間かかっていた予測を27秒でおこない、両方とも99%正確だった。研究結果はNature Water誌に掲載された。
【関連リンク】
https://www.nature.com/articles/s44221-023-00132-2
(2023年9月20日)

研究開発情報:熱波から命を守る―ローレンス・バークレー国立研究所

命を危険にさらすほどの熱波が日常化した今、米エネルギー省のローレンス・バークレー国立研究所は、不利な条件に置かれており熱波の影響を強く受ける地域社会が温暖化に適応して繁栄するための推奨政策やツールキットを、米国各地の市・州政府および米政府と共同開発している。米国で熱波の影響をもっとも強く受けるのは、植生が少なく人口密度の高い密集市街地に住む低所得層である。科学者たちは、熱波にもっとも脆弱なそうした人々への影響を緩和できるよう、家屋を涼しく保つための壁や屋根の建築基準の強化、必要な世帯への冷房の設置、地区ごとに実施した対策の健康上・環境上の効果の監視といった政策を推進している。
(2023年8月26日)

報告書など:全米アカデミーズ「COVID-19の研究開発から得られた教訓を今後の感染症に活かす」

新型コロナウイルス・パンデミックに対抗するため、人類はかつてない速さおよび部門をまたぐ協力体制の構築によってツールや技術の革新を成し遂げた。新たなワクチン・治療薬・診断法を迅速に開発・実施できるようにイノベーションと協力を続けることは、今後起こり得るパンデミックに対する準備体制の中心となる。全米アカデミーズの微生物脅威フォーラム、薬剤発見・開発・橋渡し研究フォーラム、緊急事態・災害に対する医療・公衆衛生準備体制フォーラムは2022年12月にワークショップを開催し、新たな感染症や危険な病原体に対する準備および対応体制を、研究の革新的なアプローチによって強化する方法を探求した。参加者は関係者間の調整やイノベーションをもたらし、迅速で効果的な準備・対応に役立つ、科学の重要インフラについて検討した。
【関連リンク】
https://nap.nationalacademies.org/catalog/27194/
(2023年9月発行)

報告書など:GAO報告書「空港インフラ―電力の回復力を高めようとする特定の空港の取り組み」

GAO(米議会の政府監査院)は米国の大規模ハブ空港25か所、中規模ハブ空港13か所、小規模ハブ空港3か所について電力の回復力を調査した。オンライン調査に回答した30の空港のうち24か所は5分間以上の停電を合計321回経験していた。聞き取り調査した41の空港のうち40か所は、電力インフラ評価、電力インフラ改善プロジェクト、予備電源設備の増設といった方策をひとつ以上実施していると回答した。
【関連リンク】
https://www.gao.gov/products/gao-23-105203
(2023年8月29日、48ページ)