6月分
ニュース:ロサンゼルスのデモに米政府が派兵、州知事が敗訴
ロサンゼルスで米移民・関税執行局の不法移民摘発に抗議するデモの一部が6月6日に暴徒化し、道路封鎖や略奪をおこなった。トランプ大統領は翌7日、暴徒鎮圧を名目にカリフォルニア州兵2000人の派遣を命令した。国防総省は9日、同州兵2000人を追加で動員し、海兵隊700人に出動を命令した。州知事の要請がないのに米政府が州兵を動員するのは、1965年にアラバマ州の公民権デモを護衛したとき以来初めて。トランプ政権が根拠とした合衆国法典第10編第12406条によると、外国の侵攻、米政府に対する反乱または通常の部隊で連邦法を執行できない場合、大統領は州兵を指揮下に入れることができる。カリフォルニア州のニューサム知事は9日、現状はこの条件に該当しないとして州兵の指揮権の返還を求める訴訟を起こした。ロサンゼルスのバス市長は10日、ダウンタウンの連邦政府ビル周辺に夜間外出禁止令を出した。同州はカリフォルニア北部連邦地裁で12日に勝訴したが、第9連邦巡回区控訴裁小法廷で19日に敗訴した。知事は敗訴を受け入れていないので、同控訴裁大法廷に審理を求めるか、連邦最高裁に上訴することになる。
(2025年6月19日)
(2025年6月19日)
ニュース:米国土安全保障省が長官承認案件の範囲を拡大、即応能力低下のおそれ
米国土安全保障省のノーム長官は、10万ドル(1450万円)を超える同省の全ての契約と補助金を長官承認案件とするよう6月第2週に命令したと、CNNテレビが報じた。税関・国境警備局、沿岸警備隊、シークレットサービス、FEMA(連邦危機管理庁)も対象とする。FEMA当局者は、自然災害時の緊急資金の分配が遅れることを懸念している。長官は、予算支出の要請にあたって事業の効果とその金銭的価値、資材や役務の内容、緊急性、行動内容の詳しい記述を求め、1件の審査に5日以上かかる可能性が高いと警告している。
(2025年6月18日)
(2025年6月18日)
ニュース:米国土安全保障省が単独テロ予防部署を廃止へ
単独テロが米国で横行するなか、トランプ政権は、暴力的過激主義の兆候のある人を見つけてカウンセリングや銃器所持制限によってテロを予防する国土安全保障省の部署の廃止を進めている。同省の予防事業・連携センター(CP3)の長に、法執行・テロ対策の経験のない22歳の大学新卒者を任命し、数十人いた分析官や管理官を10人未満に減らした。5月に議会に提出された同省予算案は、1800万ドル(26億円)のテロ対策補助金事業が「国土安全保障省の優先事項と一致しない」として打ち切ろうとしている。この事業は単独テロの予防を目的としており、同省退職者によると銃乱射事件などの防止に成功している。しかし、同省は、テロ対策全体におけるCP3の役割は「取るに足らず、効果がない」として、「バイデン政権が政治的反対者に対してCP3を武器化し、進歩的団体に資金を流すことを主目的にした」と主張し、CP3の廃止を「浪費・詐欺・不正使用を終わらせようとする熱心な努力」の例に挙げている。
(2025年6月17日)
(2025年6月17日)
ニュース:米ミネソタ州議会議員ら4人殺傷される
米中西部ミネソタ州ミネアポリス郊外で6月14日午前3時35分ころ、同州下院のメリッサ・ホートマン議員(ミネソタ民主農民労働党)と夫のマークさんが自宅で射殺された。同2時前には同州上院のジョン・ホフマン議員(同)と妻のイベットさんが自宅で撃たれて負傷した。犯人バンス・ボルター(57歳)は警察官を装い、ゴムマスクで変装し、パトカーに似せたSUVを運転していた。犯人はホートマン議員宅で警察と撃ち合ってから徒歩で逃げ、自動車を買って乗り捨て、翌15日夜に同州グリーンアイルの自宅付近で逮捕された。犯人が犯行まで乗っていたSUVからは両議員ら政治家、人工妊娠中絶医、人工妊娠中絶の権利主張者ら約70人のリストが見つかった。同州のウォルズ知事は犯行を「政治的暗殺」と非難し、トランプ大統領も「このような恐ろしい暴力は、アメリカ合衆国では容認されない」と非難した。
(2025年6月16日)
(2025年6月16日)
ニュース:インドで旅客機が墜落、死者270人超
6月12日インド時間13時38分にアーメダバード空港をロンドン・ガトウィックに向けて離陸したエア・インディア171便が、1分後に墜落し、乗客乗員242人は乗客1人を除いて死亡した。機体はB. J.医科大学の寮に墜落し、地上でも10人以上が死亡、50人以上が負傷した。ボーイング787型機としては初の死亡事故・全損事故となった。
(2025年6月14日)
(2025年6月14日)
ニュース:NOAAは今年のハリケーンを無人艇で観測できない
米海洋大気庁(NOAA)は過去4年間、セイルドローン社(カリフォルニア州)の無人艇をハリケーンの目に送り込み、風速、波高そして海面と大気境界層の間の熱や水分の移動のデータを収集し、予報・警報の精度を高めてきた。しかし、今年はNOAAが提案依頼書を出すのが遅れたので、セイルドローン社は応札することも、ハリケーンシーズンに備えて大西洋岸とメキシコ湾岸の港に無人艇を配備することもできなかった。NOAAは今シーズンのハリケーンを高高度気球やドロップゾンデで観測するが、大気境界層のもっとも強い風や海水温を継続的に観測することはできない。
(2025年6月13日)
(2025年6月13日)
ニュース:FEMAの災害対応調整の責任者が辞任
FEMA(連邦緊急事態管理庁)の国家対応調整センター(NRCC)責任者のジェレミー・グリーンバーグ氏が辞任を表明した。同センターは24時間体制で各省庁や軍の専門家と連絡し、救援物資の輸送を調整し、都市捜索救助任務部隊を派遣する管制塔の役割を果たしてきた。また、ハリケーンの多いテキサス州やルイジアナ州を含むFEMA第6管区を長年指揮してきたトニー・ロビンソン氏も今月末に退職する予定である。同管区の次長は先週辞任しており、FEMA幹部の流出が加速している。
(2025年6月13日)
(2025年6月13日)
ニュース:コロンビアで革命軍非主流派の同時多発攻撃
コロンビア国家警察によると、同国第3の都市カリ周辺で6月10日、反乱勢力が警察署を自動車爆弾・オートバイ爆弾・銃・手榴弾で攻撃し、警察官2人を含む7人が死亡、28人が負傷した。カリ市を含むバジェ・デル・カウカ県および南隣のカウカ県で合計24件の攻撃があった。軍・警察によると、コロンビア革命軍(FARC)と政府の2016年の和平協定を拒否して離脱したFARC-EMCの犯行だという。
(2025年6月11日)
(2025年6月11日)
ニュース:オーストリアの中等学校で銃乱射事件
オーストリア第2の都市グラーツの中等学校(ギムナジウム)で6月10日、中退者の男(21歳)が拳銃と散弾銃を乱射して生徒9人と教師1人を殺害後、校内で自殺した。負傷者は、被弾した11人を含む29人。犯人に前科はないが、精神状態を理由に徴兵検査を不合格になっていた。犯人はこの2丁の銃の所持許可を得ていたが、携帯許可は得ていなかった。犯人宅には、動機の書かれていない遺書と未完成の鉄パイプ爆弾があった。犯人は犯行直前に予告動画を母親に送信し、母親は動画を見た直後に警察に通報したが、犯人はすでに犯行に及んでいた。カーナー内相によると、動機は明らかになっていない。
(2025年6月10日)
(2025年6月10日)
ニュース:米国が12か国国民の入国を禁止、7か国国民の入国を制限
トランプ米大統領は米国の外交政策、国家安全保障およびテロ対策を理由に、6月9日から12か国国民の入国を原則として禁止し、他の7か国国民の入国を制限すると発表した。入国禁止の対象となる12か国はアフガニスタン、ミャンマー、チャド、エリトリア、赤道ギニア、ハイチ、イラン、リビア、コンゴ共和国、ソマリア、スーダン、イエメン。例外は米国永住権者、二重国籍者、政府・国際機関職員、一部の運動競技会出場者、特定の経歴・属性の人に発給される移民ビザの所持者。ブルンジ、キューバ、ラオス、シエラレオネ、トーゴ、トルクメニスタン、ベネズエラの国民は移民ビザ、短期滞在ビザ、学生ビザによる入国を禁止する。
(2025年6月4日)
(2025年6月4日)
ニュース:米大統領府が州への災害支援をFEMAに知らせず、支出に遅れ
今年1月に米国の広範囲を襲った吹雪による、バージニア州の洪水や断水の被害に対し、トランプ政権は4月初めに財政支援を承認した。しかし、財政支援の事務をおこなうFEMA(連邦危機管理庁)への指示が4日以上遅れ、被災地に支援が届くのが1週間ほど遅れたと、CNNテレビが報じた。トランプ政権第1期に迅速にできていた指示が遅れたのは、FEMAの解体的再編に伴う混乱の中で、政権とFEMA指導部の連絡・調整が減ったことが原因だという。
(2025年6月4日)
(2025年6月4日)
ニュース:FEMAはハリケーン対策指針を更新しない
FEMA(米連邦危機管理庁)のリチャードソン長官代行は、2022-26年の災害支援活動に関する包括的な戦略計画を5月21日に撤回したうえ、6月2日には、ハリケーンシーズン(6月1日-11月30日)に向けた指針を更新しないで、昨年の指針を使用すると述べた。2022-26年の戦略計画には、FEMAの任務と無関係な目的・目標が含まれていたとして、回復力戦略室を廃止し、法律でFEMAに義務付けられた活動だけをおこない、2026-30年の戦略計画を新たに策定する。昨年のハリケーンシーズンの指針を使用するといっても、トランプ政権下でFEMAは減災や災害対応の複数の事業を廃止し、多数の幹部職員が退職しているので、実施が可能なのか不明だ。
(2025年6月3日)
(2025年6月3日)
ニュース:世界のテロ震源地はサヘル地域と米アフリカ軍司令官が警告
アフリカのサヘル地域のマリ、ブルキナファソ、ニジェールなどが「長期紛争と不安定化の引火点」であり、「世界のテロの震源地」と化していると、米アフリカ軍司令官のマイケル・ラングリー海兵隊大将が警告した。サヘル地域のテロ組織はこの3年間で急速に勢力を拡大し、米国でテロをおこなう能力も高めているという。しかし、トランプ政権はアフリカ諸国に対する援助の大半を打ち切り、アフリカ政策を相対的に軍事化しているのに、米アフリカ軍を米欧州軍の下に編入することを検討しており、アフリカ政策の一貫性と有効性の低下が懸念される。
(2025年6月3日)
(2025年6月3日)
ニュース:米コロラド州でガザ人質解放デモに火炎瓶
米コロラド州ボルダーで6月1日、パレスチナ・ガザ地区のイスラエル人人質の解放を求めるデモに、エジプト人の男がパレスチナ解放を叫びながら火炎瓶を投げつけ、犯人を含む16人が負傷した。犯人(45歳)は逮捕後、シオニストを殺害することが犯行目的だと供述し、州法上の殺人未遂や発火装置不法所持のほか、連邦法上の憎悪犯罪の嫌疑がかけられた。犯人は2022年に訪問ビザで入国して難民申請をおこなったが、今年3月28日に労働資格が失効した後は不法滞在者となっている。
(2025年6月2日)
(2025年6月2日)
ニュース:ナイジェリアで洪水、死者151人以上
ナイジェリア中部は5月28-29日の大雨による洪水に襲われ、151人の死亡が確認され、3000人以上が避難を強いられている。ナイジャ州モクワを中心に10キロの範囲で遺体が回収されている。ナイジェリアでは例年、4-10月の雨季に洪水に脅かされるが、現地の専門家によると、近年は気候変動、乱開発、排水インフラの不足のため洪水が頻繁化・激甚化している。昨年のナイジェリアでは洪水で1200人以上が死亡、約200万人が住居を失った。
(2025年5月30日)
(2025年5月30日)
ニュース:米運輸省が被災した交通インフラの修復費を支出
自然災害で損傷した米国道路・橋梁その他の交通インフラの修復を加速するため、米政府は15億ドル(2200億円)超の資金を州・準州に提供すると、ダフィー運輸長官が発表した。連邦補助道路と国道の修復費を補償する制度である、連邦道路管理局(FHWA)の緊急援助事業として36州、コロンビア特別区、グアム、米領バージン諸島、プエルトリコに配分する。このうち6億8300万ドル(983億円)超は昨年9月のハリケーン・ヘリーンによる損害の修復にあてる。
(2025年5月29日)
(2025年5月29日)
ニュース:米首都でイスラエル大使館職員2人が射殺される
5月21日夜、米ワシントンD.C.都心にある首都ユダヤ博物館から出てきたイスラエル大使館職員2人が、男に拳銃で撃たれて死亡した。犯人は博物館の玄関にいた警備員によって被害者と誤認されて入館し、犯行を名乗り出た。死亡者はドイツ出身のイスラエル人男性(30歳)と米国人女性(26歳)。「ガザ地区など紛争地に対する人道支援のための多宗教団体の協力」を話し合うイベントから出てきたところだった。犯人はシカゴ出身の男(31歳)で、拘束時にパレスチナ風の頭巾を取り出し、パレスチナ解放を叫んだ。
(2025年5月22日)
(2025年5月22日)
ニュース:パキスタンでスクールバス自爆テロ、首相はインドの責任を主張
パキスタン南西部のバルチスタン州で5月21日、陸軍が運営する中等学校に生徒46人を乗せて向かっていたバスに自爆車両が衝突、犯人1人とバス車内の10人が死亡、バス車外の人を含む53人が負傷した。シャリフ首相は根拠を示すことなく、インドに支援されたテロと決めつけた。両国は係争地カシミール地方のインド側で4月22日に起きた銃撃テロをきっかけに陸と空で武力衝突し、10日に停戦した後も緊張状態が続いている。
(2025年5月22日)
(2025年5月22日)
ニュース:大西洋ハリケーン長期予報、今年は平年より活発
米海洋大気庁(NOAA)は今年6月1日から11月30日までの大西洋ハリケーンシーズンが平年より活発になる確率を60%、平年並みとなる確率30%、平年より不活発になる確率10%と予報した。名前がつけられる風速17.4メートル以上の熱帯低気圧が13-19個のうち6-10個がハリケーン(風速33.1メートル以上)、3-5個がカテゴリー3以上の大型ハリケーン(風速49.6メートル以上)が3-5個発生すると予測している。
(2025年5月22日)
(2025年5月22日)
ニュース:米政府離職者を他国がスパイに勧誘
最近離職した米政府職員のリクルートを中国の情報機関が試みているという調査結果を、米国の新保守主義系の外交安全保障政策シンクタンク・民主主義防衛財団(FDD)が公表した。中国企業「Smiao Intelligence」がダミー会社4社「Dustrategy」「RiverMerge Strategies」「Tsubasa Insight」「Wavemax Innov」のウェブサイトを作成し、4社が米国・シンガポール・日本などに拠点を置いているように見せかけ、ビジネス用SNSのLinkedInに元政府職員向けの求人を掲載したという。その一方で、中国企業の公然活動としては、米政府から離職した人工知能分野などの科学者を勧誘している。アラブ首長国連邦(UAE)も、米国防総省の国防デジタルサービス(DDS)からの離職者をリクルートしようとした。ネットワーク・セキュリティ・ジャーナリストのキム・ゼッター氏によると、UAE軍准将が同省の許可を得てDDSの離職者と会い、約30人のチーム全員を採用する意思と予算があると述べたという。
(2025年5月21日)
(2025年5月21日)
研究開発情報:ウェストバージニア洪水回復力枠組み
ウェストバージニア大学のアーロン・マックスウェル准教授(地理学部、GIS技術センター長)らは、洪水に対する地域社会の準備と復旧を支援するツールキットを開発した。ウェストバージニア洪水回復力枠組みは各級政府の意思決定者、氾濫原管理者、非営利団体、地区計画担当者、危機管理当局者など、州内の地域社会の洪水回復力を高めようとするあらゆる人に、分析と視覚化のツールを提供する。ウェストバージニア・ハザード・ライブラリ、最善慣行ガイド、氾濫原管理者訓練資料、洪水評価測量成果、立体地図などのツールを提供する。洪水リスクの理解を深め、また、洪水への対応・復興を妨げる能力のギャップを指摘する。2016年の豪雨災害で明らかになったような組織間の調整のギャップに対し、解決策を示す。
【関連リンク】
https://wvfrf.org/
(2025年6月17日)
【関連リンク】
https://wvfrf.org/
(2025年6月17日)
研究開発情報:洪水に強い住宅建材選びを支援するツール
ハリケーンによる洪水や配管の水漏れによる浸水のリスクに対し、フロリダ州の住宅所有者が適切な建材・内装材を選べるように、フロリダ大学建築環境回復力研究所(FIBER)は、選定支援ツール「SAMPL(持続可能で適応的な材料の性能レベル)」を開発した。SAMPLは材料の環境条件・地域的リスク因子に対する耐久性、耐水性、持続可能性を分析する。リスク計算式は、材料が水によって劣化しないこと、水を通さないこと、洪水のシリオにおいて崩壊する確率を重視している。リスク計算の結果が盛り込まれた「RIPL(回復力推測性能レベル)レポート」は、住宅保険規制当局、建設会社、住宅所有者が住宅建設の費用とリスクを下げるのを助ける。
【関連リンク】
https://news.ufl.edu/2025/06/resilient-design-tool/
(2025年6月12日)
【関連リンク】
https://news.ufl.edu/2025/06/resilient-design-tool/
(2025年6月12日)
研究開発情報:地震から高電圧変圧器の碍子を守る
壊れた高電圧変圧器を取り替えるには、高価な代金を払っても1年以上待つことを覚悟しなければならない。地震にもっとも弱い部品である碍子は、高電圧変圧器のメインタンクから突き出たタレットにボルト付けされている。碍子とタレットの揺れの固有周期が一致すると、碍子の振幅が増大して壊れやすくなる。米エネルギー省アイダホ国立研究所のチームは、碍子とタレットの固有周期が一致しないように、碍子がボルト付けされている箇所に取り付けることのできる、構造的に単純で調節可能な免震アイソレータ(デカプラ)を開発している。
【関連リンク】
https://inl.gov/feature-story/hardening-the-grid-research-team-focuses-on-quake-proofing-transformer-bushings/
(2025年6月9日)
【関連リンク】
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(2025年6月9日)
研究開発情報:FEMA元長官が危機管理のオンライン・リソースセンターを設立
トランプ政権第1期でFEMA(連邦危機管理庁)長官を務めたピート・ゲイナー氏が、危機管理のオンライン・リソースセンターを設立した。ゲイナー氏は海兵隊を中佐で退役後、ロードアイランド州プロビデンス市危機管理局長・国土安全保障室長、同州危機管理局長を務め、2018年10月から21年1月までFEMAの副長官、長官代行、長官を歴任した。オンライン・リソースセンターでは、ゲイナー氏の300件を超える災害対応の経験をもとに、実践的なコンテンツとリーダーシップ育成、オンライン研修、講演活動、助言サービス、無料リソースのライブラリなどを提供している。
【関連リンク】
https://femapete.com/
(2025年6月9日)
【関連リンク】
https://femapete.com/
(2025年6月9日)
研究開発情報:10階建て軽量鉄骨造ビルの震動台実験
米カリフォルニア大学サンディエゴ校は屋外の震動台の上で10階建ての軽量鉄骨造ビルを組み立てており、耐震実験を6月に実施する。この震動台は世界最大で、2000トンの構造物を揺らすことができる。震動台を1 G加速すると、ビルの屋上は3 G加速される。軽量鉄骨は鉄スクラップから簡単に製造でき、強度が高く、軽いという特長があるが、米国の現行の建築基準は、軽量鉄骨造ビルの高さを20メートル以下に制限している。この制限を緩和しても安全なのか判断する材料として、同校とジョンズホプキンズ大の共同研究チームがこの実験をおこなう。実験用ビルには階段、屋上機械、ガス管、スプリンクラーシステムなど非構造部分も設置されている。耐震実験後は耐火実験もおこなう。
(2025年5月29日)
(2025年5月29日)
報告書など:全米アカデミーズ「航空管制官の人員に関する優先事項」
航空管制官の人員確保は、米国の航空安全に欠かせない。したがって連邦航空局(FAA)は、航空管制官の採用人数を増やし、訓練の成功率を上げ、人員が過剰な空港から不足している空港へ異動する動機を与え、確実な疲労管理システムや効率的なシフト管理ツールを用いるといった措置を続ける必要がある。連邦航空局は全国航空交通管制官組合と共同で新しい人員配置モデルを作ったが、むしろ伝統的なモデリング手法を必要に応じて更新し、各現場の意見を取り入れて改良し、使っていくべきだ。また、連邦航空局は、施設ごとの人員数と安全性の関係性をより深く理解するための推奨研究を実施すべきである。
【関連リンク】
https://doi.org/10.17226/29112/
(2025年6月、286ページ)
【関連リンク】
https://doi.org/10.17226/29112/
(2025年6月、286ページ)
報告書など:FEMA「州政府のための減災計画政策ガイド」
米国の州の減災計画に関するFEMA(連邦危機管理庁)の政策並びに法律および連邦規則集第44巻パート201の解釈を示す。要件を満たす減災計画を立てるための指針を提供する。FEMAの各事業(国家洪水保険制度、ハザード緩和支援、公的支援分類C-G、火災管理支援補助金、潜在的ハザードの大きなダムの復旧事業、FEMA建築基準など)にわたる減災計画の統合を支援する。本ガイドは2022年4月19日付の旧版に取って代わり、発行から4年以内に改訂または廃止される。
【関連リンク】
https://www.fema.gov/sites/default/files/documents/fema_hmd_state-mitigation-planning-policy-guide_05292025.pdf
(2025年5月30日、109ページ)
【関連リンク】
https://www.fema.gov/sites/default/files/documents/fema_hmd_state-mitigation-planning-policy-guide_05292025.pdf
(2025年5月30日、109ページ)
報告書など:米下院国土安全保障委員会「テロの脅威の寸評」
米国内の反イスラエル・テロの増加に関する公聴会(6月11日)を前に、米下院国土安全保障委員会は最新の「テロの脅威の寸評」を公表した。外国のイスラム過激派ネットワークや反イスラエル・反ユダヤ思想に基づくテロが、米国・西側諸国・国際社会に対する持続的な脅威であることを強調している。
【関連リンク】
https://homeland.house.gov/wp-content/uploads/2025/06/Updated-CT-snapshot-June-2025.pdf
(2025年6月11日)
【関連リンク】
https://homeland.house.gov/wp-content/uploads/2025/06/Updated-CT-snapshot-June-2025.pdf
(2025年6月11日)
報告書など:GAO報告書「公衆衛生準備態勢―保健福祉省にはパンデミック脅威に備えた診断検査のため全国的に調整されたアプローチが必要」
パンデミックとなりうる鳥インフルエンザなどの感染症に対し、米政府の診断検査の取り組みを率いるのは保健福祉省である。GAO(米議会の政府監査院)が招集した19人の専門家の円卓会議は、診断検査の開発、展開、指針、データ収集など同省がとるべき約100の行動を提案した。とくに、役割と責任を明確にして協力を強化する、全国的な検査戦略と診断検査調整グループ(フォーラム)を、次のパンデミックまでに設置することが必要とされた。
【関連リンク】
https://www.gao.gov/products/gao-25-106980
(2025年6月4日、220ページ)
【関連リンク】
https://www.gao.gov/products/gao-25-106980
(2025年6月4日、220ページ)
報告書など:米国の銃乱射事件が2023年から24年にかけて半減
FBI(連邦捜査局)は報告書『2024年の米国の銃乱射事件』を公開した。FBIは、人の多い場所における銃撃による殺人または殺人未遂を銃乱射事件と定義する。2024年は24件を指定しており、23年の48件と比べて半減した。24年の死傷者106人(死者23人、負傷者83人)は23年の244人と比べて57%減った。
【関連リンク】
https://www.fbi.gov/file-repository/reports-and-publications/2024-active-shooter-report/view
(2025年6月3日、60ページ)
【関連リンク】
https://www.fbi.gov/file-repository/reports-and-publications/2024-active-shooter-report/view
(2025年6月3日、60ページ)
報告書など:NIST「林野と市街地の接触面の火災における避難・退避の検討事項 評価・計画・実施(ESCAPE)」
林野と市街地の接触面(WUI)の火災は、地域社会に急速に影響を及ぼし、避難の時間的余裕がない。2018年カリフォルニア州キャンプ火災を受けて、米国立標準技術研究所(NIST)は、火災の動き、警報、避難、防衛行動を文書化・分析して将来のWUI火災に備える事例研究をおこなった。本報告書は、キャンプ火災事例研究の教訓を用いて、WUIに位置する中小自治体による警報や避難の計画に役立つ方法論などの検討事項を示す。発災前の状況、ローカルな知識、火災中の情報を用いて住民と初動要員の安全を高める警報・避難計画を評価・計画・実施する道を示す。
【関連リンク】
https://www.nist.gov/publications/wui-fire-evacuation-and-sheltering-considerations-assessment-planning-and-execution-0
(2025年5月20日、169ページ)
【関連リンク】
https://www.nist.gov/publications/wui-fire-evacuation-and-sheltering-considerations-assessment-planning-and-execution-0
(2025年5月20日、169ページ)