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12月分


ニュース:スタジアム等のライフライン停止対策の手引書

米サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)は、スタジアムやアリーナなど多数の公衆が集まる施設のライフライン(エネルギー・上下水道・通信・交通)が停止した場合に備えるための手引書を公表した。米国内外の大規模競技施設で発生した近年の障害事例の教訓を反映している。米国ではFIFAワールドカップ2026、建国250周年記念行事、2028年夏季オリンピックといった大規模イベントが予定されている。重要インフラの利害関係者に、ライフラインへの脅威の明確な理解と、オペレーションを保護し、脆弱性を改善し、備えを強化するための有効な戦略を提供する。

【関連リンク】
https://www.cisa.gov/news-events/news/cisa-releases-dynamic-new-guide-stadium-and-arena-owners-fortify-operations-mitigate-vulnerabilities
(2025年12月19日)

ニュース:米ブラウン大学とMITで銃撃、3人死亡

米北東部ロードアイランド州プロビデンス市にあるブラウン大学で12月13日、銃撃により学生2人が死亡、9人が負傷した。15日夜にはマサチューセッツ工科大学(MIT)プラズマ科学・核融合センター長のヌノ・ロウレイロ教授がマサチューセッツ州ブルックライン町の自宅で射殺された。プロビデンス市警察は不審車の目撃情報をもとにクラウディオ・ヴァレンテ容疑者の逮捕状をとり、18日にニューハンプシャー州セイラム町のトランクルームへ向かい、同容疑者の遺体とグロック9ミリ拳銃2丁を発見した。うち1丁はロウレイロ教授殺害の凶器だった。同教授とヴァレンテ容疑者はリスボン大学高等工科学院の同窓生。容疑者は先に卒業してブラウン大学の物理学博士課程に進んだが中退し、ポルトガルへ帰国後、米国の移民多様化ビザ抽選プログラムで2017年に永住権を取得した。トランプ大統領は18日、同プログラムを停止した。
(2025年12月18日)

ニュース:米CISA、分野横断型サイバーセキュリティ目標の強化版を公表

米サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)は、サイバーセキュリティ・パフォーマンス目標の改訂版(CPG 2.0)を公表した。米国標準技術研究所(NIST)のサイバーセキュリティ・フレームワーク(CSF)2.0と整合しており、過去3年間の運用経験を取り入れつつ、データに基づく実行可能な指針によって新たな脅威に対応している。ガバナンス機能の新設、脅威対応型の拡張、枠組みの一元化、新たな脅威やサプライチェーンリスクへの対応強化などの改善が導入されている。中小企業にとって、重要インフラのリスク軽減とセキュリティ対策の実践的な出発点となるように作られている。

【関連リンク】
https://www.cisa.gov/cybersecurity-performance-goals-2-0-cpg-2-0
(2025年12月17日)

ニュース:米上院、国防予算9006億ドルを可決

米上院は2026年度(25年10月1日-26年9月30日)の国防予算権限法(NDAA)を77対20で可決した。予算権限法は各省の事業の開始・継続の根拠法であり、歳出法案も両院が可決し大統領が署名すると各事業に予算が支出される。過去最高となる9006億ドル(140兆円)の支出に根拠を与える。軍人全員の給与を3.8%引き上げる。装備品の調達制度改革や、中国・ロシアに対する競争力強化策を盛り込んでいる。トランプ政権が12月に公表した国家安全保障戦略と対照的に、欧州の安全保障を強化する条項を含む。ウクライナ安全保障支援イニシアティブに今後2年間で計8億ドル(1250億円)を充てることを認める。バルト安全保障イニシアティブとしてラトビア・リトアニア・エストニアへの軍事援助に1億7500万ドル(273億円)を拠出する。在欧米軍を45日以上にわたって7万6000人未満に減らす場合も、在欧米軍施設を接受国に譲る場合も、単価50万ドル(7800万円)を超える装備を接受国に譲るか米国に再配置する場合も、米軍が欧州連合軍最高司令官を出すのをやめる場合も、国防長官に多数の条件を課す。国防総省の予算や機能に関してはトランプ政権に従って「戦争省」と呼称しているが、正式に改称するための根拠も予算も認めていない。
(2025年12月17日)

ニュース:豪ボンダイビーチでユダヤ人を狙い銃撃、15人死亡

豪シドニーの名所ボンダイビーチで12月14日、ユダヤ教の祝祭ハヌカーを祝っていた約1000人の群衆に向けて男2人がボルトアクションライフルと散弾銃を乱射、15人が死亡、40人が負傷し病院に搬送された。複数の民間人が犯人の銃を奪おうとして撃たれた後、ニューサウスウェールズ州警察が犯人を撃ち、1人は死亡、1人は重傷を負い病院に搬送された。犯人2人は父子で、父(死亡、60歳)は1998年にインドから移住した。豪情報機関は2019年から息子(存命、24歳)とIS(いわゆる「イスラム国」)の関係を疑って監視したが、差し迫った脅威とは判断しなかった。犯人の車からはISの旗や即席爆発装置5発が発見された。豪州では1996年のポートアーサー銃乱射事件以後、銃規制が強化されており、大量殺傷事件は珍しい。アルバニージー首相は、事件は反ユダヤ主義に基づいたテロ攻撃と断定しつつ、銃規制のさらなる強化を打ち出した。2023年のガザ戦争勃発後、豪州では反ユダヤ主義事件が増えていた。同国のユダヤ人社会の一部と野党・保守連合は、反ユダヤ主義への現政権の対応が不十分だったのであり、一般的な銃規制強化は的外れだと批判している。さらに、イスラエルのネタニヤフ首相は、豪州がパレスチナを国家承認したことも反ユダヤ主義を煽ったと非難し、アルバニージー首相は否定した。
(2025年12月15日)

ニュース:FEMA見直し審議会は縮小・再編を答申へ

トランプ米大統領が設置したFEMA(連邦危機管理庁)見直し審議会は、FEMAを存続させる一方で、職員数を半減し、災害対策における連邦政府の役割を大幅に縮小し、「地元(自治体)が実施、州や部族政府が管理、連邦が支援する」ものとする答申案を作成したことが明らかになった。答申案を入手したCNNテレビが報じた。FEMAの名称変更に向けて、当面は「FEMA 2.0」と呼ぶ案や、大規模災害宣言から30日以内に州に資金を提供する包括補助金制度の導入を答申する。連邦政府の支援は、州や自治体の能力を超える真に壊滅的な災害に限り、その他の災害は州などが自力で対応することになる。FEMAを国土安全保障省から分離する案は、ノーム同省長官の反対により却下された。
(2025年12月12日)

ニュース:米22州が連邦政府に勝訴、FEMAの回復力構築助成再開へ

FEMA(米連邦危機管理庁)は「回復力あるインフラと地域社会の構築(BRIC)」という州・自治体・部族政府・準州に対する助成事業の廃止を4月に発表した。マサチューセッツなど20州は7月、廃止は違法だとしてFEMAとその長官、国土安全保障長官、連邦政府を提訴した(その後2州とコロンビア特別区が参加)。マサチューセッツ連邦地裁は12月11日、議会が決議したBRICへの支出を行政府が一方的に廃止する権限はないと判断し、恒久的差止命令を出した。トランプ政権はBRICが「無駄で効果がない」として、助成先が決まっていた36億ドル(5300億円)の支払を中止し、2026年度の予算8億8200万ドル(1300億円)を執行しないと発表していた。減災投資の効果は複数の研究で示されている。米国商工会議所と保険会社オールステートが助成した2024年の研究によると、災害準備と気候回復力に1ドル投資するごとに、将来の損害や復旧費用を13ドル節約できるという。
(2025年12月11日)

ニュース:米CDCが新生児の大半にB型肝炎ワクチンの接種勧奨を停止

米疾病管理予防センター(CDC)のワクチン接種に関する諮問委員会(ACIP)は、母親がB型肝炎ウイルスに感染していない新生児には今後、B型肝炎ワクチン接種を推奨しないことを、8対3の投票で決めた。今後は母親が感染しているとわかっているか、感染の有無が不明の場合のみ接種を勧奨する。感染検査で陰性の母親には、医療者との相談のうえ、新生児に接種するのかしないのか、する場合はいつ接種するのか決めるよう勧める。米国では1991年からすべての新生児に出生時、生後1-2か月、生後6-18か月の合計3回、B型肝炎ワクチンを接種してきた。根拠なくワクチン忌避を呼びかける活動をおこなってきたケネディ厚生長官は6月にACIPの委員17人全員を解任して入れ替えた。今回の勧奨停止は、ケネディ長官が任命した委員たちが決定した。賛成した委員はその理由として、ワクチンの安全性が十分に証明されていない、新生児の多くは感染リスクが非常に低いなどと主張した。専門家からは疑問の声も上がっている。科学・医療研究者団体「エビデンス・コレクティブ」は、委員会での発言には幼児期のワクチン接種、ワクチンの安全性や感染経路に関する60以上の誤り、または誤解を与えるような発言があったと指摘している。
(2025年12月5日)

ニュース:トランプ政権2期目初の国家安全保障戦略を発表

米大統領府は12月5日、トランプ政権2期目で初めての国家安全保障戦略を発表した。米国の役に立つことをする米国第一主義を強調し、貿易・移民・西半球を重視している。トランプ政権1期目は、中国とロシアが米国の価値観や利益に反する国際秩序を形成しようとしているという理由で、大国間競争を主題とし、バイデン政権も引き継いだが、今回の国家安全保障戦略はそれと一線を画している。国民国家の主権の国際機構に対する優越、世界的・地域的勢力均衡、米国人労働者の優先などを原則に掲げる。米国が巨人アトラスのように世界を支える時代は終わったとして、同盟国に負担の分担・移譲を求める。アジアについては「経済の未来を勝ち取り、軍事的対決を防ぐ」ことを掲げ、中国との経済関係にバランスを取り戻し、米国経済の独立を回復する。第1列島線(九州・南西諸島・台湾・フィリピン)のどこでも戦争を抑止するため、同盟国には、港湾の米軍による利用拡大、防衛費増額、侵略の抑止に役立つ能力への投資を求めている。


【関連リンク】
https://www.whitehouse.gov/wp-content/uploads/2025/12/2025-National-Security-Strategy.pdf
(2025年12月5日)

ニュース:東南アジアとスリランカで豪雨、死者2000人超

マラッカ海峡の西側で11月25日に発生したサイクロン・センヤールは、インドネシアのスマトラ島北部に上陸後、反転して同28日に半島マレーシアを横断した。両地域とタイ南部に大雨が降り、洪水や地すべりで1400人以上が死亡した。インドネシアの北スマトラ州・西スマトラ州・アチェ州では合計1140人が死亡、163人が行方不明となり、110万人が家を失った。インドネシア林野相は12月4日、違法伐採が洪水と地すべりを悪化させたとして、20社の許可を取り消し、さらに12社の幹部を召喚すると発表した。スリランカ南東部沿岸では11月26日にサイクロン・ディトワが発生、29日までに同国東部を北へ縦断した。豪雨と地すべりによりスリランカで644人が死亡、183人が行方不明となり、同国では2004年インド洋大津波以来最悪の災害となった。インドでは3人が死亡した。これらのサイクロンが、気圧と風力が弱いのに豪雨を降らせた主な原因は、発生した海域の水温が平年より1度高かったからと考えられる。
(2025年12月7日)

ニュース:CISAが合同警告―中国が支援するハッカーが使用するマルウェア、重要インフラに深刻な脅威

米サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)、米国家安全保障局(NSA)、カナダ・サイバーセキュリティ・センターは、中国政府系とみられるハッカーが使用するマルウェア「BRICKSTORM」に関する分析報告書を共同で発表した。VMware vSphere(特にVMware vCenterサーバー)およびWindows環境を標的とする、洗練されたバックドアであるBRICKSTORMの侵害指標や検知シグネチャを提供し、重要インフラの所有者・運営者が侵害の有無を特定できるよう支援し、防御策を推奨している。このマルウェアは政府機関とITセクターを主な標的として、通信の秘匿、トンネリング、自動再インストールなど高度な機能をもち、長期間潜伏することができる。それゆえ、BRICKSTORM検知のシグネチャとルールを用いたシステムスキャン、ネットワーク境界機器の棚卸しと不審な接続の監視、適切なネットワーク分離の確保、そしてセクター横断型サイバーセキュリティ・パフォーマンス目標(CPGs)の実装といった対策を業界に呼びかけている。

【関連リンク】
https://www.cisa.gov/news-events/news/cisa-nsa-and-cyber-centre-warn-critical-infrastructure-brickstorm-malware-used-peoples-republic
(2025年12月4日)

ニュース:香港の高層マンションで大規模火災、死者161人

香港新界北部の大埔区に位置する高層マンションで11月26日午後、大規模な火災が発生した。宏福苑の8棟中7棟が燃え、閉じ込められた住民のもとに救助隊がたどり着けず、28日の鎮火までに死者161人(消防士1人を含む)を出す大惨事となった。マンションは改修工事中で、周囲には竹足場が組まれ、防護ネットで覆われていた。1棟から出火し、竹足場やネット、窓に取り付けられていた燃えやすい発泡スチロール板などを伝って延焼したとみられる。香港当局は防護ネット、防水シート、ビニールシートなどが防火基準に満たなかった可能性があると発表、施工業者やコンサルタント会社の家宅捜索と社員の逮捕を始めた。責任追及の動きが強まっている。その一方で、ボランティアの拠点は警察の命令で撤去され、施工業者に対する当局の監督責任を問う市民は身柄を拘束されている。
(2025年12月3日

ニュース:元FDA長官12人がワクチン規制の新方針に懸念を表明

米保健福祉省食品医薬品局(FDA)長官を務めた12人の科学者が、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌オンライン版で、トランプ政権のワクチン規制の新方針が、科学的透明性や安全性・有効性・供給を保証してきた規制モデルを損ない、国民の健康に悪影響を及ぼすおそれがあるとの見解を表明した。新方針は、FDAの生物製剤評価研究センター長のプラサド氏が作成した内部メモが流出して判明した。内部の科学者が外部に懸念を伝えることは「非倫理的」で「違法」と規定、議論は内部にとどめるよう指示し、反対意見をもつ職員には辞表提出を求めている。既存の免疫橋渡し研究を否定することで、呼吸器ウイルスや細菌株の変化に迅速に対応したワクチン更新や新製品開発を、著しく遅らせるおそれがある。また、臨床試験の要件増加により中小企業の参入を妨げ、競争を抑制し、価格を上げるリスクも指摘される。12名はさらに、ワクチン有害事象報告制度における新型コロナウイルスワクチンによる小児の死亡事例は、規制を変更する根拠として科学的には不十分とも指摘した。FDAが築き上げてきた、科学的証拠に基づく開かれた議論と専門家の独立した評価を守ることこそ、国民の安全と信頼を維持する唯一の道であると強調している。
(2025年12月3日公表)

ニュース:米国の州・自治体の緊急警報システム運営業者にランサムウェア攻撃

米国各地の州・自治体が、気象警報・避難指示・行方不明者情報などを住民に知らせるため使用しているプラットフォーム「CodeRED」の運営業者「クライシス24」が、ランサムウェア攻撃を受けた。親会社のガルダ・ワールド社は11月10日、CodeREDへのアクセスを全面的に遮断した。CodeREDは住民が任意で登録し、居住地に対する警報などを受信するシステム。ランサムウェア組織「Inc」の犯行声明によると、Incは11月1日にCodeREDに侵入し、同10日にファイルを暗号化した。クライシス24は新しいプラットフォームを構築しているが、コロラド州ダグラス郡保安官事務所は契約を解除したうえ、登録者の氏名・住所・メールアドレス・電話番号・パスワードなどが盗まれたという同社からの通知文を公表した。盗まれたデータは、偽の警報・通知の送信にも使えるし、アイオワ州スーシティ市が警告しているように、登録者が同じパスワードをメール・銀行・通販・業務などのアカウントに使用していれば、そこへの侵入にも使える。
(2025年11月28日)

ニュース:ロンドン特別区3区がサイバー攻撃を受け、緊急時対応計画を発動

英ロンドンの3区(ケンジントン・アンド・チェルシー王立区、シティ・オブ・ウェストミンスター、ハマースミス・アンド・フラム区)が11月24日にサイバー攻撃を受け、被害拡大を防ぐためシステムを停止・隔離する緊急時対応計画を発動した。ケンジントン・アンド・チェルシー王立区は同29日、一部の古いデータが侵入者に複製されたと認めた。区民らの個人情報・金融情報を含むのか確認中で、区民やサービス利用者に対し、不信な電話・メール・テキストメッセージに注意を呼びかけている。
(2025年11月29日)

ニュース:ホワイトハウス付近で州兵が銃撃され死傷

米大統領令により首都ワシントンを警備中のウエストバージニア州兵2人が11月26日、アフガニスタン人の男(29歳)に拳銃で頭を撃たれ、特技兵の女性(20歳)が死亡、2等軍曹の男性(24歳)が重傷を負った。仲間の州兵がナイフと銃で反撃し、犯人は逮捕された。現場はホワイトハウスの約400メートル北西の地下鉄駅前。犯人はかつて、CIA(米中央情報局)が支援するアフガン国家保安局「ゼロ部隊」のひとつである03部隊(カンダハール打撃部隊)の隊員として、タリバン構成員容疑者を夜間に急襲する任務に従事した。2021年9月、タリバン新政権に報復されるおそれが強い対米協力者として米国に移住し、25年4月に難民認定された。友人によると、犯人は、03部隊が民間人を殺傷したため心の健康を害していたという。トランプ大統領は事件を受けて、犯人が利用したバイデン政権のアフガン人定住支援事業が不適切であったと主張した。国土安全保障省市民権・移民局は11月27日、アフガン人のあらゆる移住申請を停止し、米国への入国が制限されているアフガンなど19か国の国民に交付済みの永住許可を再審査すると発表した。
(2025年11月27日)

ニュース:米CISAがドローンの脅威に対する重要インフラ防護の手引きを公表

米国サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)は、無人航空機(ドローン)の脅威に対応するための手引き文書3点を公表した。それぞれ『重要インフラのためのドローン探知技術の手引き』、『重要インフラ所有者・運営者のための不審ドローン活動に関する手引き』、『墜落したドローンの安全な取扱に関する検討事項』と題されている。この手引き文書を含め、CISAの経空脅威認識事業「ビー・エア・アウェア」は、ドローンがもたらす物理面・サイバー面のリスクの認識を高め、重要インフラや集会に対するリスクを管理する実用的な選択肢を提供することを目的としている。


【関連リンク】
https://www.cisa.gov/news-events/news/cisa-releases-new-guides-safeguard-critical-infrastructure-unmanned-aircraft-systems-threats
(2025年11月20日)

研究開発情報:米国土安全保障省が市販ロボットの緊急対応能力を試験

米国土安全保障省科学技術局の国立都市セキュリティ技術研究所(NUSTL)、エネルギー省パシフィック・ノースウェスト国立研究所、6州の初動要員が参加して、市販ロボットが災害などの緊急対応に役立つのか試験した。2025年8月の4日間にわたり、ニュージャージー州の環境保護庁第2地域実験場で、四足歩行ロボット2機種とクローラロボット1機種を試験し、メーカー社員も現地で支援した。試験はNUSTLの「緊急対応要員のためのシステム評価・検証(SAVER)」事業として、参加者が技術の機能性や実用性を体感して調達の判断に役立てるためにおこなわれた。試験のシナリオは、危険物災害の遠隔操縦による調査、がれきの山での捜索救助、複数階の建物における傷病者の捜索・問診。
(2025年12月16日公表)

研究開発情報:海面上昇により2100年までに米国の5500以上の有害物質施設に浸水のおそれ

気候変動に伴う海面上昇により、米国の5500か所以上の有害物質関連施設が、2100年までに沿岸洪水の影響を受けるおそれがあるとする、カリフォルニア大学の研究者たちの論文がネイチャー・コミュニケーションズ誌オンライン版に掲載された。温室効果ガスの排出が抑制されないシナリオで、「100年に一度の洪水」と呼ばれている規模の洪水によって浸水するおそれのある、下水処理施設、有毒廃棄物処理施設、石油・ガス関連施設、その他の産業由来の汚染物質を扱う施設を数えた。沿岸部のこのような施設が浸水した場合、周辺環境や地域社会に深刻な影響を及ぼすおそれがあることを示し、災害計画、土地利用政策、海面上昇による不平等なリスクや潜在的健康被害への対策の重要性を指摘している。

【関連リンク】
https://doi.org/10.1038/s41467-025-65168-2
(2025年11月20日公表)

研究開発情報:過去の気象パターンが繰り返されると熱中症による大量死のリスクが高まる

極端な熱波による潜在的な死者数は気候リスク分析と気候適応計画にとって重要だが、既存の予測には必ずしも十分に反映されていないと指摘する、スタンフォード大学持続可能性学院などの研究者の論文が、ネイチャー・クライメート・チェンジ誌オンライン版に掲載された。過去30年間に欧州に熱波を5回もたらした気象パターンが、さらに温暖な気候の下で繰り返された場合、死者は数千人から数万人増えるという結論を、統計学と機械学習を用いたモデルから得た。2003年の熱波では西欧で2万人以上が死亡しており、当時の地球の平均気温が産業革命前より0.8度高かったことによる超過死亡は1万1000人である。2025年は地球の平均気温がさらに0.7度上がったので、もし03年の気象パターンが繰り返されていれば、超過死亡は1万7800人にのぼったという。地球の平均気温が産業革命前より3度上がってから、03年の気象パターンが繰り返されると、1週間の超過死亡は、新型コロナウイルスパンデミックの最悪期に匹敵する3万2000人に達するおそれがあるという。仮に温暖化を止めることができたとしても、極端な高温が大陸規模で公衆衛生に与える脅威を減らすには、新しい適応措置が必要だと、著者たちは考察している。

【関連リンク】
https://doi.org/10.1038/s41558-025-02480-1
(2025年11月18日公表)

研究開発情報:世界的重要インフラに特有のリスクと国際協調の課題

重要インフラは通常、国家単位で指定されるが、機能が停止した場合の影響が世界に広がる「世界的重要インフラ」もある。こうしたインフラのリスクは、依存する国にとっても所在国にとっても従来とは異なる。この点に注目し、リスク分析・管理上の課題を探る、キングス・カレッジ・ロンドンとランド研究所公共政策大学院の研究者の論文が、リスク・アナリシス誌に掲載された。自国に所在しない世界的重要インフラに依存する国は、他国に所在する施設のリスク管理慣行に対する法令上・規制上の権限をもたない場合が多い。その場合、リスク管理には内政官庁だけでなく外交・通商・防衛担当の官庁の能力と責任も必要となる。この課題から、インフラ防護・回復力のための国際協力、共同資金調達、監視強化など、新たなリスク管理の需要と選択肢も生まれる。世界的重要インフラ所在国は、依存国に対する影響力や、国際的支持を得る新たな方法を手にする見込みがあるが、新たな主権侵害のリスクも負う。論文は、依存国と所在国の依存関係を認識することが、国際社会が利害関係者に働きかけてシステム全体のリスクを管理するアプローチの構築と実施に役立つと結論している。

【関連リンク】
https://doi.org/10.1111/risa.70147
(2025年11月11日公表)

報告書など:全米アカデミーズ「全米協同道路研究プログラム 道路システムのための人間工学ガイドライン 第3版」

既存の道路・道路施設の設計や運営は、利用者とくに事故に脆弱な利用者との関わりに十分に配慮していない。多様な交通システムの計画・設計・建設・運営に関わるすべての者は、行動要因に配慮する必要がある。「道路システムのための人間工学ガイドライン 第2版」は、道路利用者の能力とその限界を、道路システムの決定プロセスに統合するためのツールとして作成された。第3版は、人間工学の原則を道路システム決定に組み込み、自動車・オートバイ・自転車の運転者、歩行者、公共交通の乗客などすべての道路利用者に利益をもたらすシステムを構築するために、交通当局が用いることをめざしたガイドラインである。人間工学および道路・利用者の関係のあらゆる研究、道路安全分析の慣行、データに基づいた安全分析と意思決定を最適化する設計を文書化し、道路安全性監査、運営の検証、道路システム決定のための事故データといった安全性ツールを含む。

【関連リンク】
https://doi.org/10.17226/29158
(2025年発行、478ページ)

報告書など:全米アカデミーズ「夜間の歩行者の安全を改善する」

米国における歩行者の死亡事故は2010年以後激増し、増加分の多くは夜間に発生している。米国家運輸安全委員会(NTSB)はこれを「公衆衛生上の危機」であるとし、多年度の研究プロジェクトとして、夜間の歩行者のリスクに関わる主要な問題点を調査・理解し、対応戦略を立てるための資金を出した。本報告書は、歩行者の安全と夜間のリスクに関する基本的な知識となる第1段階の研究と、理解が不足している点に集中した第2段階の研究成果をまとめた。

【関連リンク】
https://doi.org/10.17226/29225
(2025年発行、191ページ)

報告書など:全米アカデミーズ「注意散漫やADHDなどのリスク要因に関連する10代の運転能力」

神経発達障害をもつ若い運転者は、その行動特性のため自動車事故のリスクが高くなる傾向がある。自閉症、注意欠陥・多動性障害(ADHD)のある10代の運転リスクに関する研究が近年蓄積されている。本報告書はADHDの程度が異なる10代の運転者のリスクについて知見を提供し、道路外に頻繁に視線を向ける傾向のため危険を見逃すリスクが高い可能性を指摘する。

【関連リンク】
https://doi.org/10.17226/29209
(2025年発行、30ページ)

報告書など:全米アカデミーズ「空港における問題行動を低減・管理する」

威嚇や暴力により空港の使用を妨げる行動の事例が近年増えている。しかしながら、問題行動への対応は機内に偏り、空港内の環境に合わせたインシデント対応指針はほとんどない。本報告書は空港におけるインシデント発生時の対応を指南し、根本原因、防止・軽減戦略、対応の調整、事後の分析を理解する体系的アプローチを提供する。

【関連リンク】
https://doi.org/10.17226/29156
(2025年発行、90ページ)

報告書など:全米アカデミーズ「橋・トンネルへの衝突の防止・軽減」

橋・トンネルへの車両の衝突は米国で増える傾向にあり、運転者にも、橋・トンネルの構造的完全性にも重大な危険をもたらしている。橋への衝突は全米で年間1万5000件を超え、修復に多額の費用がかかるうえに、重大な安全上のリスクとなっている。包括的な解決が喫緊の課題である。

【関連リンク】
https://doi.org/10.17226/28812
(2025年発行、243ページ)

報告書など:GAO報告書「災害支援に関する高リスクシリーズ 州・自治体の対応能力」

米国の自然災害への備えと対応を始めるのは州・自治体だが、その能力はまちまちである。連邦政府は交付金・訓練などの支援を提供している。現政権は災害対応における連邦の役割を見直しており、連邦・州当局者は政策立案者に対し、明瞭なコミュニケーション、準備期間、FEMA(連邦危機管理庁)の調整機能の維持を要望している。州当局者は、FEMAの将来の役割について明瞭で一貫した正確な助言・指導がなければ計画は難しいと指摘し、技術支援や訓練を含め、いかなる変更についても一貫したメッセージが必要だと強調した。役割・責任をはっきり伝えることの重要性は、GAO(米議会の政府監査員)も2005年のハリケーン・カトリーナ以来強調している。連邦政府の災害支援は州・自治体にとって重要なので、連邦・州当局者は、災害対応における役割の変更には準備期間が必要だと強調した。連邦政府当局者は、どの州も対応できない、連邦政府の資金等の支援が必要となる巨大災害は必ず起きると指摘した。FEMAは、他省庁に災害対応任務の権限を与えておこなわせるなど、連邦政府の災害対応を調整する機関であり、連邦・州当局者はこの機能の維持を要望している。

【関連リンク】
https://www.gao.gov/products/gao-26-108599
(2025年12月18日発行、18ページ)

報告書など:全米アカデミーズ「病原体のヒトへの感染を理解する―患者第1号発生を防ぐ」

世界的パンデミックは、ウイルスが動物からヒトへ種間感染し、患者第1号が発生して始まることが多い。将来のパンデミックを予防するためには、ヒトへの種間感染がどのようにして起きるのか理解することが欠かせない。全米アカデミーズの微生物脅威フォーラムは、2025年1月にワークショップを開催し、ヒトの新興感染症の出現に生態学的・社会的・技術的要因がどのように影響しているのかを検討した。ヒトと動物の接点や実験室のバイオセーフティを中心に、感染症出現に関して理解が不足している点を議論した。

【関連リンク】
https://doi.org/10.17226/29313
(2025年12月3日発行、98ページ)

報告書など:国際戦略研究所「欧州の重要インフラに対するロシアの破壊工作の規模」

ロシアは欧州における妨害・破壊工作、スパイ活動、秘密工作のキャンペーンによって、各国の政権を不安定化し、ウクライナ支援に社会経済的コストを賦課して支持を低下させ、ロシアの侵略に対抗するNATO・EUの結束を弱体化させようとしている。欧州各国は満足に対応できておらず、対応の統一・調整、有効な抑止措置、ロシアに対するコスト賦課が課題となっている。国際戦略研究所(英IISS)は、ロシアの欧州に対する破壊工作(疑い例含む)の公開情報に基づくもっとも包括的なデータベースを作成した。破壊工作はエネルギー、運輸、政府・軍施設など重要インフラを狙い、分散化しており、NATO・EUおよび加盟国の対応の影響をほとんど受けていない。ロシアは破壊工作をギグエコノミーに外注することによって責任追及を免れている。欧州の重要インフラは、保守整備の延期と官民の投資不足のため、破壊工作に脆弱になっている。NATOの「バルティック・セントリー」海上監視作戦など、一部の取り組みは一定の成果を上げたが、NATO・EUは持続的対応に必要な予算・資源を割り当てていない。また、欧州諸国が安全保障上の他の目的よりもロシアの非正規戦の抑止を優先するのか、はっきりしない。

【関連リンク】
https://www.iiss.org/research-paper/2025/08/the-scale-of-russian--sabotage-operations--against-europes-critical--infrastructure
(2025年8月19日公表)