2月分
ニュース:米国土安全保障省閉鎖でFEMA出張停止、災害対応が混乱
米国土安全保障省が予算不成立のため2月14日から閉鎖されたので、FEMA(連邦危機管理庁)は同16日から職員の出張を、災害対応・復旧作業のための現場入りを含め、閉鎖が解除となるまで停止した。ニューヨークタイムズがFEMA内部のメールを入手して報じた。FEMAの災害支援事業とそれに従事する職員には専用の財源があるので、ふつうは政府機関閉鎖中も影響を受けない。同紙がFEMAにこの点を質したところ、「現在進行中の災害」に関する出張は認められると回答した。しかし、ローテーションで現場を離れていた職員が現場に戻れなくなったり、訓練場所から現場への移動を認められず所属先に帰るほかなくなったりする職員もおり、混乱が広がっている。
(2025年2月18日)
(2025年2月18日)
ニュース:米カリフォルニア州の雪崩でスキーヤー8人が死亡
米カリフォルニア州北部のネバダ郡保安官事務所は18日、シエラネバダ山中のタホー湖付近で起きた雪崩にスキーヤー9人が巻き込まれ、8人の死亡を確認、行方不明の1人も死亡したとみられると発表した。米国の雪崩の被害としては過去40年で最悪。一行は3日間のバックカントリースキーツアーに参加していたガイド4人とスキーヤー11人で、6人は救助された。今季最大の嵐が向かっているという予報が15日に出ていたのにツアーが決行された経緯を、保安官事務所が調査している。
(2026年2月18日)
(2026年2月18日)
ニュース:国土安全保障省など一部の米政府機関が閉鎖
米議会は、国土安全保障省の9月までの予算法案について合意に至らず、同省は2月14日から閉鎖された。1月にミネソタ州ミネアポリスで同省の移民税関捜査局(ICE)と税関国境警備局(CBP)の捜査官が米国民2人を射殺したので、民主党は両局による不法滞在取締りの方法の変更を予算成立の条件にしている。議会は2月23日まで休会中で、交渉は予定されていない。運輸保安局(TSA)、連邦危機管理庁(FEMA)、沿岸警備隊、シークレットサービスなどが資金不足となる可能性がある。ICEとCBPの予算は、すでに2025年の減税・歳出削減法によりそれぞれ750億ドルと600億ドルが追加されているので、不法滞在取締りや強制送還は、同省の閉鎖中も影響を受けない。
(2026年2月15日)
(2026年2月15日)
ニュース:米政府の支援を得られる災害の基準が緩すぎるとFEMA幹部が主張
米大統領が大規模災害を宣言すると、政府がFEMA(連邦危機管理庁)を通じて被災地のインフラや被災者に支援金を提供するが、FEMAの幹部は2月11日、大規模災害の基準が低すぎ、支援金を得るのが簡単すぎるとの見解を下院歳出委員会の公聴会で示した。FEMAのグレッグ・フィリップス次官は「人為的に低く設定された基準」を批判、スタッフォード災害救援・緊急支援法が制定されたときの算定方法が更新されていないと問題視した。トランプ政権がFEMA改革の一環として、州が国の災害支援を受けるための基準の引き上げを検討していることは、CNNテレビが2025年12月に報じている。また、フィッリプス氏はこの公聴会で、FEMAの支出をノーム国土安全保障長官が個別に審査している影響で、支援金の給付が遅れていることを認めた。ニューヨークタイムズは1月27日、ノーム長官が審査中の州への支援金は約170億ドル(2.6兆円)と報じた。
(2026年2月11日)
(2026年2月11日)
ニュース:中国が東南アジア諸国のインフラへのサイバー攻撃を演習か
中国が東南アジア諸国の重要インフラに対するサイバー攻撃を想定し、秘密の訓練用プラットフォームで演習している可能性が、流出した技術文書から明らかになった。米サイバーセキュリティ会社Recorded Futureが文書を分析して発表した。問題の訓練基盤は、大規模な統合システム「Expedition Cloud」の一部で、中国が「南シナ海およびインドシナ方面の作戦の相手」と位置づける国々のネットワーク環境を模倣している。対象には、電力・送電網、交通、スマートホーム関連インフラなどが含まれる。偵察グループと攻撃グループの2チーム体制で演習をおこない、あらゆる操作を記録し、ネットワーク通信や判断過程を再現可能にしている。これにより、どの攻撃手法がもっとも効果的なのかを比較・分析できるよう設計されている。また、攻撃パターンを大量に記録・比較することで、将来的には攻撃プロセスの自動化につながるおそれがある。
(2026年2月9日)
(2026年2月9日)
ニュース:パキスタン南西部で同時多発攻撃、約100人死亡か
パキスタン南西部のバローチスターン州の分離主義勢力・バローチスターン解放軍(BLA)は1月31日未明、刑務所・警察署・準軍事組織の施設などに、銃や手りゅう弾による約12件の同時多発攻撃をおこない、警備側が応戦した。当局によると治安要員22人、民間人36人が死亡した。BLAの死者数は、当局によると216人、BLAによると18人だという。同州ではパキスタン・タリバン運動(TTP)も治安部隊を攻撃しているが、BLAの攻撃としては今回が史上最大規模である。BLAは米国でもテロ組織に指定されている。パキスタン政府は、インドがBLAを支援していると主張し、インドは否定している。またパキスタン政府は、TTPやBLAがアフガニスタン領内の拠点からパキスタンへ出撃していると繰り返し主張しているが、アフガニスタンのタリバン政権は否定している。
(2026年1月31 日)
(2026年1月31 日)
ニュース:北米のロッキー山脈より東で猛烈な寒波、38人死亡
米国とカナダのロッキー山脈より東の広域を猛烈な寒波が襲った。北極圏に寒気を閉じ込める極渦が、成層圏突然昇温により弱まったうえに、グリーンランドとカナダ西部の上空の高気圧が寒気を南へ押し出した。カナダのオンタリオ州で零下43.7度、米ミネソタ州ミネアポリスで零下29.4度、米南部でもフロリダ州タラハシーで零下21.5度を記録し、アラバマ州やミシシッピ州も非常事態宣言を発令した。1月27日までに米国14州で38人以上が寒さのため死亡したと確認されている。大雪も降り、航空便の欠航や送電線断線による停電などの被害も相次いだ。航空便の欠航は1万7000便を超え、新型コロナウイルスパンデミック以来、最悪の状況となった。
(2026年1月29日)
(2026年1月29日)
ニュース:ニパウイルス感染をインドで確認、アジア諸国が検査を強化
インド・西ベンガル州でニパウイルスの感染が昨年12月以後2例確認されたので、シンガポール、ネパール、パキスタン、マレーシア、シンガポール、香港などが入国者の検査を強化している。タイは同州からの航空便が到着する空港3か所、ネパールはカトマンズ空港やインドとの国境、パキスタンはすべての入国地点で検査を始めた。ニパウイルスは果物を食べるコウモリや豚に媒介され、脳炎を発症した人の致死率は40~75%と高い。まれに人・人感染する。承認された治療薬もワクチンも存在しない。世界保健機関(WHO)は優先病原体に指定している。
(2026年1月28日)
(2026年1月28日)
ニュース:NTSB、レーガン空港衝突事故は「FAAの構造的問題」と結論
2025年1月29日に米首都ワシントンD.C.最寄りのレーガン・ナショナル空港近くで67人が死亡した空中衝突事故について、米国家運輸安全委員会(NTSB)は、原因は連邦航空局(FAA)の長期的なシステム上の欠陥であり、「100%防げた」と結論した。最大の原因は、滑走路33の着陸経路を横切る位置にヘリコプター航路4を設定したことである。FAAはヘリコプター経路4との衝突を避けるのに必要な情報を航空地図に明記せず、パイロットたちの長年の警告にもかかわらず、エラーの余地の少ないヘリコプター経路に関して毎年おこなうよう規定されている見直しを実施していなかった。その結果、管制官はほぼ常に情報の洪水の中にあり、多発するニアミスに鈍感になっていたおそれが強い。パイロットはエラーの余地がほとんどないことを知らされないまま、管制塔の支援のない目視間隔を強いられた。FAAは管制官とパイロットの警告を無視した。また、NTSBは陸軍がヘリ操縦士に対し、同空港付近の混雑の危険に応じた訓練をしておらず、高度計の誤差も知らせていなかったと指摘した。ヘリが位置情報を地上に送信する放送型自動従属監視(ADS-B)は使用されていなかった。乗員は、視界が限られて管制塔との交信が不明瞭な中で、回避すべきアメリカン航空機とより遠方の航空機を混同したおそれが強い。事故当時、管制官は1人でヘリ5機と固定翼機6機を同時に管制しており、陸軍ヘリの接近をアメリカン航空機に警告しなかった。事故を受けて、FAAは同空港付近のヘリコプターの経路と飛行目的を制限したが、NTSBは政府と議会に対し、FAAと陸軍に課す多数の再発防止策を勧告しており、数週間以内に最終報告書の公表を予定している。
(2026年1月27日)
(2026年1月27日)
ニュース:スペインで高速列車衝突、死者46人
1月18日、スペイン南部で脱線した高速列車に別の高速列車が衝突、46人が死亡、292人が負傷した。脱線した列車はマラガ発マドリード行の私鉄(イリョ)の8両編成で、コルドバを19時39分に出発後、同43分にアダムス市内で後方3両が脱線して対向線路にはみ出したが、列車は止まらなかった。約20秒後、その対向線路を走ってきた、マドリード発ウエルバ行の4両編成の国鉄列車が衝突した。国鉄列車の前方2両は高さ4メートルの盛土から落下した。事故原因ははっきりしていないが、初期調査によると、私鉄列車が脱線した線路には、事故の前から亀裂が生じていたという。なお、1月20日21時過ぎにはバルセロナ郊外で、線路脇の擁壁が地すべりで崩れ、走行中の通勤列車に衝突、運転手1人が死亡、35人以上が負傷した。現地を含むスペイン北東部では大雨が数日間続いていた。
(2026年1月20日)
(2026年1月20日)
研究開発情報:気候リスクと自治体債市場の悪循環
米ノースイースタン大学の研究チームは、気候リスクが自治体債市場に与える影響を分析し、「気候債務の悪循環(ドゥームループ)」を指摘した。論文はネイチャー誌の出版社が新たに創刊したネイチャー・シティーズ誌に掲載された。米国の自治体債は道路・学校・上下水道などの公共事業を賄うために州・自治体が発行し、米国の公共事業の7割以上を支えている。しかし、災害の損害額が増えて保険会社が撤退すると不動産の価値が下がり、債券を償還するための税基盤が損なわれる。すると財政が悪化して必要な公共事業がおこなわれず、投資が制限される。その結果、将来の気候リスクがさらに高まり、借入コストが上昇する――これが気候債務の悪循環である。論文によると、自治体債の低コストという特性を活用すれば、防災・投資を拡大できると考える。既存の市場メカニズムを活用し、気候リスクを財政・債券評価の議論に組み込むことが重要となる。自治体債市場は都市インフラを支える重要な柱であり、気候変動時代においては、防災と財政健全性を同時に確保する戦略的手段になり得る。
【関連リンク】
https://doi.org/10.1038/s44284-025-00365-0
(2026年1月5日公表)
【関連リンク】
https://doi.org/10.1038/s44284-025-00365-0
(2026年1月5日公表)
報告書など:GAO報告書「高リスク研究―保健福祉省はリスク評価・低減の方法に関する情報をより多く共有・公開すべきである」
パンデミックを引き起こす可能性がある病原体を改変し、感染症の理解を深める研究は、高いリスクを伴うとされる。保健福祉省は、米政府の現行の規制の範囲内でこの種の研究を実施し、資金も提供している。しかし、GAO(米議会の政府監査院)の調査によると、同省はこうした研究のリスクと利益を評価するプロセスについて、公開の程度がまちまちであることがわかった。パンデミックの原因となりうる危険な病原体を扱う研究プロジェクトの数もはっきり公開していない。GAOは、国費を用いた研究に対する国民の信頼を確保するため、病原体研究のリスク評価・低減について透明性を高めることを同省に勧告する。
【関連リンク】
https://www.gao.gov/products/gao-26-107348
(2026年2月19日公表、51ページ)
【関連リンク】
https://www.gao.gov/products/gao-26-107348
(2026年2月19日公表、51ページ)
報告書など:米サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁「2025年の回顧」
サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)が発表した、2025年の同庁の活動を総括したウェブページ。サイバーおよび物理的脅威から米国の重要インフラを守る取り組みと成果をまとめ、国内ネットワークの防御強化、官民連携の推進、リスク対応能力の向上が得られたとしている。サイバー防衛力の強化においては、1600件以上のセキュリティ製品・ガイダンスを公開、24時間体制のオペレーションセンターで3万件超のインシデントを分析、対応を支援、重要インフラに対する3.7億件以上の悪意ある接続を遮断し、防御した。また、全米で148回実施したサイバーおよび物理セキュリティ演習には州・自治体等から1万人以上が参加し、実践的な対応計画の検証と改善に活用したことで、緊急事態への準備と対応能力が地域レベルから全国レベルまで大きく強化された。官民・国際パートナーシップにも注力し、42件(うち23件は国際協力)の共同ガイダンスを発行、無人機関連のセキュリティガイドといった、新たな脅威に対応する実践的対策を整備した。これらの成果は2026年の目標や優先課題に向けた戦略的な基盤を構築し、インフラ防衛の継続的強化と官民の協働による安全性の向上を掲げ、将来の脅威に備える姿勢を裏付けるものとなった。
【関連リンク】
https://www.cisa.gov/about/2025YIR
(2026年2月10日)
【関連リンク】
https://www.cisa.gov/about/2025YIR
(2026年2月10日)


