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SDGsへ向けたグローバル地域センター(GLC)の役割


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SDGsへ向けて地域と世界を結ぶ
 グローバル地域センターは、地域の課題についてグローバルな視点で調査研究を行っています。地域と世界をつなぐためのプレーヤーであり、地域と世界のやりとりを促進する潤滑油の役割も担っています。

センターとしての特色あるSDGs取り組み事例

 本センターの特色は、グローバルな視野から地域の新たな可能性を引き出し、また地域の課題への取り組みからグローバルな問題の解決の糸口を見つける調査研究です。私たちは、本センターの成果を広く情報発信して、地域のSDGs活動を支え発展させることに貢献することも目指しています。本センターの取り組みは、今ある社会を「持続可能」なものにするための、いわゆる”潤滑油”と考えていて、より良い潤滑油となるように、また潤滑油を絶やさないようにして、地域と世界のやりとりを促進する活動を行っています。
以下では、本センターの調査研究の例をいくつか取り上げて紹介します。

■政治、経済、社会、文化に及ぶアジアのグローバルネットワーク構築に関する調査研究
 グローバル地域センター「アジア・太平洋部門」では、地域の課題をグローバルに捉えて取り組むというセンターの主旨に基づき、政治、経済、社会、文化に及ぶ、より多様なアジア地域間ネットワーク形成の課題について研究しています。その趣旨は、静岡、日本、アジアを中心に展開する多次元的な地域間ネットワークの現状と課題、ひいては近未来に向けての新たな可能性を明らかにして行くことにあり、その成果はSDGsで目標とされるさまざまなグローバルな諸課題の解決に直接間接に繋がり、さらには目標「17. パートナーシップで目標を達成しよう」という方法論の構築に寄与することが期待されます。

・アジアの福祉現場における「中間的領域/組織」の探究
 アジア諸国の福祉の現場における「中間的領域/組織」(民間組織(NGO/NPO)、ボランティア組織、半官半民の地域組織など)がどのような役割を担っているのかを比較検討する研究を行っています。このような研究を通して、SDGsで目標とされている「3.すべての人に健康と福祉を」「5.ジェンダー平等を実現しよう」「10.人や国の不平等をなくそう」について、検討しています。
【リンク先】
第1回公開セミナー「アジアの福祉現場における『中間的領域/組織』の探究」(7月31日(土))
https://www.global-center.jp/holding_guidance/past-list/2021/20210731/
第2回公開セミナー「アジアの福祉現場における『中間的領域/組織』の探究」(3月5日(土))
https://www.global-center.jp/holding_guidance/0305/

・SDGsとハラール産業
SDGsは先進諸国中心の経済発展がもたらしたさまざまな諸課題に対する反省から生まれてきたとも考えられますが、イスラーム圏には既存の支配的経済体制とは異なる代替的な視座でハラール産業を構築しようという考え方も浸透しつつあります。ハラール産業とはイスラームの宗教規範でムスリムが消費することを許された商品・サービスを提供するあらゆる産業群の総称です。イスラーム圏というと中東湾岸諸国などの富裕な人々がイメージされやすいですが、世界人口の4分の1近くを占めるムスリムの大半は貧困に悩まされ、教育や健康の普及も決して満足とは言えない国や地域に暮らしています。ハラール産業はそのようなイスラーム世界をエンパワーするために発想された側面があります。SDGsとの関連で換言するなら、目標「1. 貧困をなくそう」「2. 飢餓をゼロに」「3. すべての人に健康と福祉を」「4. 質の高い教育をみんなに」「9. 産業と技術革新の基盤をつくろう」「10. 人や国の不平等をなくそう」「11. 住み続けられるまちづくりを」「17. パートナーシップで目標を達成しよう」などのさまざまな課題解決を目指す構想ととらえることもできます。
 特に経済過程に焦点を当てると、SDGsとハラール産業との相似点として着目されるのは、いずれにおいてもサプライチェーン、バリューチェーンが重要な位置づけになっていることです。ハラール産業では生産品の原材料の調達網のハラール性が問われ、ハラールサプライチェーンの一貫性が要請されます。また「農場・飼養場から食卓まで」というスローガンが示すように、生産・流通から消費に至る全過程でハラール性が担保されるようなハラールバリューチェーンが求められます。他方、SDGsの目標「12. 責任ある消費と生産」(「持続可能な消費と生産の形態確保」)では大量生産・大量消費から舵を切り直す行動変容が求められつつ、公共調達などを中心にサプライチェーンが重視され、また、大企業や多国籍企業は財務情報のみならず、サプライチェーンを通じた環境、労働、人権、贈収賄に関するリスクへの対応状況など、非財務情報の開示も義務化される傾向も強まっているようです。要するに、SDGsもハラール産業も一定の社会倫理や宗教規範とサプライチェーンの整合性が期待され、したがってサプライチェーンの透明性が求められる点が共通しています。ハラール産業もSDGsも同時代的に展開して来た現象も興味深く、さらなる研究の進展が期待されます。
【リンク先】
SDGsとハラール産業(副センター長 富沢壽勇)
https://www.global-center.jp/review/column/2022/0117/

写真 規格化が進むハラール物流(マレーシア、クラン港 富沢壽勇撮影2008年)

・グローバルサプライチェーンの再形成
 米中対立とコロナ禍の影響を受けて、多国籍企業の多くはグローバルサプライチェーンの見直しに着手しているといわれています。そのなかで、日本企業はバブル崩壊以降のデフレ進行と円高の影響を回避して、中国をはじめとする東アジアに主なモノづくりのサプライチェーンを集約させてきました。これまでのサプライチェーンの基本形は効率化を目的に設計されていますが、これからは安定的に調達できるようにサプライチェーンの強靭化が求められています。また、新たな産業革命、すなわち、第4次産業革命(industry4.0)による産業のデジタル化に対応して、これからいかにサプライチェーンを効率化・安定化していくかが重要な課題になっており、これからのサプライチェーンは、技術革新やイノベーションを含めた情報の共有が今まで以上に重要になります。当研究はとりわけSDGsの目標「9. 産業と技術革新の基盤をつくろう」にもつながり、また「17. パートナーシップで目標を達成しよう」とも関わっているところがあります。
【リンク先】
研究報告会「グローバルサプライチェーン研究 日本企業・静岡企業への提言」 (11月15日(月))
https://www.global-center.jp/holding_guidance/past-list/2021/20211115/

■静岡県の危機管理体制の整備、改善に向けた調査研究
 グローバル地域センター「危機管理部門」では、地震等の災害や原子力発電等に係る静岡県の危機管理体制の整備・改善、また、国際安全保障や危機管理について研究しています。

・大規模災害と航空受援
 南海トラフ地震をはじめとする大規模災害に備えるため、静岡県でも県民の命を守るたえの取組が日夜進められています。そうした大規模災害であるほどに、救助、情報収集、輸送などの緊急任務に威力を発揮するのが、ヘリコプターなどの航空機です。しかし、意外かもしれませんが、世界的に見た場合、日本全体が航空機の運用については、いまだ後進性を残しているのです。ただ飛んでいるだけでは役に立っているとは言えないのです。
 そこで、全国において優れた活動実績を上げている熊本県防災消防航空隊の活動事例を通して、航空機による応援と受援の課題や教訓をまとめ、危機管理要員教育訓練用の教範を作成しました。

写真 静岡県消防防災航空隊防災ヘリコプター オレンジアロー

・ジャーナリズムの向上を目指して
 現在、日本ではジャーナリズムの位置づけが希薄で、とりわけ専門知識が問われる安全保障、危機管理、科学技術分野においては、十分な検証能力を備えていない印象さえあります。
 グローバル地域センターでは、ジャーナリズムの向上による民主主義の成熟を目指し、平成25年度から、第一線のジャーナリストをお迎えしてジャーナリズム公開講座を開催しています。これはSDGsとの関連では目標「4. 質の高い教育をみんなに」「16. 平和と公正をすべての人に」などに関わる試みでもあります。
【リンク先】
静岡県立大学ジャーナリズム公開講座第8期(全8回)第1回「ラジオニュースで私がめざしていること」(7月29日(木))
https://www.global-center.jp/holding_guidance/past-list/2021/20210729/

■防災・環境問題の解決を一歩進める調査研究
 日本では地震が起き、火山も噴火します。また富士山のような高い山もあり、駿河湾や南海トラフのような深い海もあります。SDGsの目標にも「14. 海の豊かさを守ろう」「15. 陸の豊かさも守ろう」がありますが、そのような陸や海を私達の環境の一部と再認識して暮らし、自然を深く知りその特性を活かして、さらに自然災害にも備えることが重要です。SDGsの主要課題である「誰一人取り残さない」社会の構築のためには誰もが安全に安心して暮らせる環境条件を追究して行く必要があります。
 グローバル地域センターでは、南海トラフ地震や大津波、そして富士山噴火といった将来避けられない課題の解決のための防災研究や、富士山のような高所を生かした環境研究をしています。これまで解決が困難だった研究に挑戦して、”本当の意味”での「誰一人取り残さない」社会へゲームチェンジすることを目指しています。

・地震・津波
 南海トラフ地震と津波の監視技術を研究しています。地震の監視技術を用いると南海トラフ沿いの力のかかり具合を推定できます。図#は、1940年代の東南海地震と南海地震の震源域で力を溜め込みつつあることを示しており、前回の地震と同じ場所でまた大地震が起きる、その準備段階を示していると考えられます。南海トラフ地震の発生後に迫り来る津波を即時予測する研究も進めており、地震と津波の両方の監視を実用化させ、地震発生前の切迫度に合わせた事前対策と地震発生後の津波襲来時の避難などに役立つ情報を提供できるようにしたいと思っています。

図 南海トラフ地震の発生を監視する技術を用いた一例
https://www.u-shizuoka-ken.ac.jp/news/20180316/

・火山噴火と富士山
 地震、津波以外にも、大地が引き起こす災害に火山噴火があります。静岡県では、富士山をはじめとして伊豆半島などに複数の火山があり火山噴火監視を行う必要があります。火山噴火予測は現状では万能な手法はないものの、被害を軽減させた予測事例は多々あり、予測の成功のためには科学計測を継続的に行うことです。
 グローバル地域センターでは最新の知見や観測技術に基づいた富士山の火山噴火活動をモニタリングし始めました。現在、いずれも噴火前兆に関係がある富士山の低周波地震を調べるために従来の10倍の感度で低周波地震を検知できる技術開発、静岡県側では初の観測となる地磁気測定を行っています。これらのデータは誰もがいつでも見られるように公開も目指しています。

・富士山を活用した環境・防災
 日本最高峰であり日本を象徴する山である富士山。前述のように火山噴火の監視対象でありますが、その一方で最高地点かつ孤立峰である特徴を生かした観測タワーになります。その観点で、かつては富士山測候所で気象観測がなされていました。現在、測候所は閉鎖されましたが、この建物を利用し、環境科学をはじめとした様々な研究がなされています。
 グローバル地域センターでは、雷に関する研究、通信機器の実証実験、生物起源の氷晶核など多種多様な実験を行っています。
 また、近年温暖化に関係があるとみられる極端気象が注目されています。本センターでは、極端気象を起こす積乱雲を雷活動を通して調査しています。

■SDGs普及啓発の取組
 グローバル地域センターでは、SDGs啓発事業にも取り組んでいます。本学のSDGsイニシアティブ推進委員会と連携し、令和4年2月に、防災・環境問題を切り口として私たちは何ができるかを考え行動するきっかけ作りの国際シンポジウム「防災×環境×SDGs」をオンラインで開催しました。当日は200名ほどの参加者と「誰一人取り残さない」約束を掲げるSDGs社会の大切さを再確認することができました。
【リンク先】
国際シンポジウム「防災×環境×SDGs」(2月11日(金・祝))
https://www.global-center.jp/holding_guidance/20220211/